今を捉える現代仏教学の構築を 仏教教育学会第13回学術大会 前田惠學愛知学院大名誉教授が講演
仏教教育学会第13回学術大会における前田惠學愛知学院大名誉教授の講演
=11月27日、愛知県日進市の愛知学院大学
十一月二十七日、愛知県日進市の愛知学院大学において、仏教教育学会第十三回学術大会が開かれた。午前は前田惠學(えがく)同大学名誉教授(仏教学、文化功労者)の特別講演「仏教教育の諸問題」があり、午後から二部に分かれて十五人が研究発表。総会の後、同大学教養部教員有志によるミニコンサートと懇親会があった。開会あいさつで小出忠孝同大学長は、公立校で宗教教育が行われていない中、曹洞宗立の同大学では禅を通して仏教の慈悲心を教え、世界の宗教理解を進めていると紹介し、「仏教教育学会の提言を受け、宗教教育について国に提言していきたい」と述べた。以下は前田氏の講演要旨(文責編集部)。
仏教教育とは仏教を教えることで、それも仏教学の一つである。ところが、肝心の仏教とは何かが十分に説明できなかった。従来、仏教とは「仏陀が説き、仏陀となる教えである」と簡潔に説明されたが、これでは仏教全体を包括できない。中国や日本の大乗全宗派は成仏を目的にしているが、上座仏教の修行の目的は成仏ではなく、涅槃を得ること。その結果、人間を超えた能力を持ち、真実の知恵を有している阿羅漢になる。上座仏教では仏は釈尊一仏が原始仏教以来の伝統である。私は「仏教とは釈尊を開祖とし、涅槃ないし悟りと救いを最高究極の価値ないし目的として、その実践を目指し、世界の諸地域に展開している文化の総合的な体系である」と定義している。 日本の近代仏教学は、・・・
前田惠學愛知学院大名誉教授
国際永久平和祈念祭典04 「対話と祈り」の21世紀に 大 阪
宗教芸術祭典に出演した天台宗僧侶33人と宝塚少年少女合唱団
=11月27日、大阪市中央区のNHK大阪ホール
十一月二十七日、大阪市中央区のNHK大阪ホールにおいて、第二十四回国際永久平和祈念祭典が開かれた。第一部は、杉谷義純世界宗教者平和会議日本委員会事務総長による記念講演「今、求められる諸宗教対話について―紛争の背後にあるものを探る」。 第二部は、宗教芸術祭典で、森川宏映天台宗毘沙門堂門跡が大導師を勤める天台宗僧侶三十三人による「声明」と宝塚少年少女合唱団の合唱。俳優の常田富士男が「語り」を担当した。 そして第三部では、各宗各教団代表が登壇し、諸宗教協力による人類平和のための共同宣言が、稲葉義猛高野山真言宗元管長により読み上げられた。主催は国際永久平和祈念祭典協議会(理事長=小林隆彰天台宗比叡山延暦寺元執行、専務理事=竹内日祥妙見閣寺代表役員)で、天台宗宗務庁・総本山比叡山延暦寺が特別協力。会場は市民ら千四百人で埋め尽くされた。 諸宗教を代表して開会あいさつした塚原亮應和宗総本山四天王寺管長は、同祭典の経緯について「竹内日祥上人の母堂が、大空襲で亡くなった大阪市民の方々と対話し、お慰めしたいと願ったことが始まり」と説明し、「対話には神仏との対話、亡くなった方々との対話、家族、隣人との対話、国同士の対話などがある。対話の断絶から悲惨な事件や戦争が起こる。それぞれのレベルで対話を回復したい」と語った。 講演した杉谷師は、内外の宗教対話や宗教者による平和活動を例に挙げながら、「和解とは自分の節を曲げて相手に従うことではない。自分の信じるところに従いながら、相手に受け入れられるよう努力する。宗教対話を進める基本スタンスは、寛容性を持ちながら、過度に世俗化しないことである。自己完結ができる宗教は他との連携を必要としないが、・・・
<2面>
- ローマ教皇の健康回復へ
来年のポーランド訪問も視野に
- 各地で大量のイナゴが発生 エジプト
イスラム教指導者「神の怒り」と警告
<3面>
- イスラエルのクリスマス
イエス・キリスト誕生の地を訪ねて ユダヤの民が織り成す歴史の極み
<4面>
- 東本願寺 報恩講日中結願法要
大谷法主「宗教復権の世紀を予感」
- 連載・神道つれづれ
罪と穢れについて
<5面>
- 阪神・淡路大震災復興10年に向けて
神戸・生田神社宮司 加藤隆久師に聞く
<6面>
- 崇教真光 立教45周年秋季大祭
真光青年隊1000人、堂々の行進 霊性の高い香を世界に放つ
- 収穫を感謝する新嘗祭
天神地祇に新穀を供える
<7面>
- 「道教と日本文化」国際シンポジウム
学際的・国際的に道教見直す 中国・杭州市浙江工商大学
- 平成16年度全国結集茨城大会
玄侑宗久師「禅の身体観」を語る
<8面>
- 人・日本聖公会京都教区司祭 ステパノ・宮岸進師
道端で涙を流した聖夜
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