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社説
  平成17年9月20日号
 

「国家と宗教共同体」めぐり討議
国際比較憲法会議2005
「宗教復権」の意義と課題問う

「国家と宗教」めぐり議論が交わされた国際比較憲法会議の総合討論

=9月4日、東京・新宿の早稲田大学国際会議場

 

 

 九月二日から四日までの三日間、比較憲法学会(理事長、小林宏晨日本大教授)主催の「国際比較憲法会議2005」が「信教の自由をめぐる国家と宗教共同体」をテーマに、東京・新宿の早稲田大学国際会議場で開催された。参加したのは海外からの十数人を含む約百人の研究者。ヨーロッパのイスラム問題や復興イラクの憲法制定を踏まえて著名イスラム学者も参加し、活発な討議が交わされた。
 
 二日、開会のあいさつで小林理事長は「主要宗教はすべて平和を志向しているが、その実現手段も平和的でなければならない。本会議を通して各国の政教関係を理解し、国際紛争の解決に寄与したい」と述べた。
 次いで、臨床心理学者の河合隼雄文化庁長官が「共同体と宗教」と題して記念講演。河合長官は、人間にとっての共同体の意味を、「端的に言えば死についての知を共有していること」とし、それが神話であると説明。自然科学が神話を否定し、「行き先不明の旅をしている」のが現代人の不安の原因だと述べた。
 そして、「現代人は死についての知=神話を自ら見いださなければならない」とし、「二十世紀初頭、臨床心理学は無意識との対話で神経症が治療できるのを発見した。グローバル化によって地球全体が統制されるようになった二十一世紀初頭、かつて個人レベルで行われたことを地球規模で行う必要があるのではないか」と語り、個人主義と自由主義が広まる中、内面を支える宗教や倫理の重要性を強調した。(3面に要約)
 続いて、大石眞京都大教授が「宗教的自由が公共の福祉に反する場合、法による取り締まりに限界がある。価値の真空に宗教教育で対処すべきではないか」と、百地章日本大教授が「戦前の国家神道は神道の国教化ではなく、プロイセンに倣った公認教制と見るべきだ。日本国憲法の政教分離は宗教の尊重が前提。戦没者慰霊施設の中心である靖国神社に首相が参拝するのは当然だ」と、討議に向けて問題提起した。・・・

 

第40回教誨師中央研修会
新法に「宗教上の教誨」明記
全国教誨師連盟


あいさつする山田義俊全国教誨師連盟理事長。

後方右から2人目が小貫芳信法務省矯正局長=9月7日、東京・千代田区の法務省庁内大会議室

 

 「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」(新法、「刑事施設法」)が本年五月十八日、国会で成立し、成立後一年以内に施行される。こうした行刑改革が推進されるなか全国教誨師連盟(理事長、山田義俊浄土真宗本願寺派林光寺住職)主催、法務省協賛の第四十回教誨師中央研修会が九月七日から九日まで、東京・霞が関の法務省庁舎内大会議室で開催された。各地方連盟(矯正管区内)から評議員、準評議員ら八十人が参加。監獄法施行から百年ぶりに改正となった新法(「刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律」は存続)には「宗教上の教誨」の文言が明記された(第四十五条、別掲)。法律上の規定は宗教教誨発足後初めて。今後質の高い教誨を実施するうえで環境整備へ一歩前進したことになる。
 七日の開会式で山田理事長は「新法が成立した。宗教教誨師の使命はいやがうえにも増す。施行前に研修をしていきたい」とあいさつ。小貫芳信法務省矯正局長は「困難な業務に情熱を傾け尽力されている」と参加者に謝辞を述べてから、新法の目的を「刑事施設の適正な管理運営を図り刑事施設に収容されている受刑者の人権を尊重しつつも個別に適正な処遇を行う」と述べ、「行刑改革実現に向けた歴史的一歩」と位置づけた。四十五条について「信教の自由の重要性に照らし受刑者に宗教上の行為が認められた」と新法の特色を挙げた。
 基調講演は柴田元始法務省東京矯正管区長で、過剰収容の実態を中心に「矯正の現状」を報告した。「七月現在七万八千人で一割オーバーし、六人の雑居部屋に七〜九人が収容されている。作業工場も作業スペースが十分とれず作業時間を短縮している。倉庫・集会場を改造しているが間に合わない」と実情を述べ、この結果「心身の不都合を訴える者がおり、教育的処遇が失われている」とも語り、深刻な実態を紹介。職員について「米国の三人に一人、英国一・五人に一人に比べ日本は四人に一人。ここ数年、百〜二百人増加している」と増加を歓迎しながら、「米国並みには千人が必要」と話す。そこで、民間の資金やノウハウを導入して施設を建設・運営するPFIの手法で、山口県美祢市に平成十九年四月運用開始予定の、男五百人、女四百人収容の施設を紹介。「この事業で再犯率ゼロを目指したい」と新事業に期待を寄せた。・・・

 

<2面>

  • 米YMCA
    救援体制の確立図る
    史上最大の「カトリーナ」被害

  • 中 国
    バチカン司教会議への司教参加招請を拒否

<3面>

  • 連載・わが心の靖国問題(2)
    日中の「文明の衝突」か?

  • 共同体と宗教
    文化庁長官 河合隼雄

<4面>

  • 仁和寺でJAL音舞台
    御室の森に東西音楽の競演
    京 都

<5面>

 

  • 全国日蓮宗女性教師の会
    開宗以来初の女性組織誕生

  • 文化庁・宗教法人実務研修会
    写し未提出の過料10万円に

<6面>

  • 人・国際愛石協会日本代表 中尾国夫さん
    自然石に魅せられて
クョスコニョ    [1] 
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