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12月5・20日合併号[天地] |
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名古屋市千種区に覚王山日泰寺がある。明治三十三年にシャム国(今のタイ)皇帝ラーマ五世から贈られた釈迦の遺骨(仏舎利)を奉安するために明治三十七年に創建された。日本で唯一の超宗派の寺院で、覚王は釈迦の尊称の一つ▼仏舎利が発見されたのは明治三十一年。イギリス人ウィリアム・ペッペがネパールとの国境近くのインドピプラーワーで古墳発掘中に、各種の宝物とともに人骨を納めた一つの壷を発見した。壷に刻まれた古代文字を解読し、それが釈迦の遺骨であると判明。遺骨はシャム王室に寄贈され、ビルマ(ミャンマー)、セイロン(スリランカ)、日本に分骨された▼日本とタイは十九世紀、アジア各地が欧米列強に次々と植民地化される中、最後まで独立を守った。それを可能にしたのが両国の皇室であるとされる。もっとも国の在り方はかなり違っていた。日本はひたすら富国強兵に努めたが、シャム国は明治天皇と同じく一八六八年に即位したラーマ五世の巧みな外交政策で幾多の危機を乗り越えた。ちなみにミュージカル「王様と私」の王様のモデルはラーマ五世の父王▼仏舎利は日泰寺から歩いて五分ほどの石造りの奉安塔に安置されている。大正七年に完成したガンダーラ様式の建物。そこまでの道端にはたくさんの地蔵があり、親の悲しみが静かに漂っていた。また明治四十四年ごろ作られた八十八カ所霊場もあった。人々は歩くことで癒やされ、悲しみを希望に転化していったのだろう。
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