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平成17年3月5日号[天地] |
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先日、大阪湾の埋立地にある舞洲(まいしま)アリーナで開かれた陸上自衛隊中部方面隊音楽まつりに家族で参加した。中部方面とは、東海・北陸・近畿・中国・四国地区の二府十九県のこと。十年前の阪神・淡路大震災での緊急出動や災害復興支援、イラクでの人道復興支援活動の様子がスクリーンに映し出され、フロアに展示されていた▼迷彩服に身を包んだ若いラッパ手たちの首に巻かれていた黄色いマフラーには、イラクの仲間たちが無事に任務を達成し、帰国するようにとの願いが込められている。見事なマーチングバンドや和太鼓の競演など、音楽を通して自衛隊の規律と意識の高さを目の当たりにする思いだった▼黄色はイギリスで古来「身を守るための色」とされており、開拓時代アメリカに渡って、南北戦争時代に兵士の無事を祈る黄色のハンカチの伝統が始まったという。「黄色いリボン」は騎兵隊の映画。ジョン・ウェイン演じる退役間近の老大尉は黄色いリボンを身に着けて、最後の戦いに臨んだ。フランク・シナトラが歌った「幸せの黄色いリボン」では、刑期を終え家に帰ってきた夫を、妻が樫の木に百個の黄色いリボンをつけて迎えた。高倉健と倍賞千恵子の「幸福の黄色いハンカチ」はその映画版▼この季節、スイセンからロウバイ、菜の花、パンジー、そしてレンギョウが風景を黄色く染めていく。寒さの中にも、そこだけは暖かい。冬の中に春を待ち望み、ようやく巡って来た春を歓喜で迎える。そんな意味合いが花の黄色には込められているように思う。花粉症などに負けていられない。
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