日蓮宗総本山身延山久遠寺 第92世内野日総法主入山奉告式 日蓮聖人の法燈を継承 身延山の護持発展誓う
奉告文を読み上げる内野日総法主
日蓮宗の総本山である身延山久遠寺(山梨県南巨摩郡)で十月三日、第九十二世内野日総法主の「入山奉告式」が営まれた。山内には、行列で練り歩く奉送団はじめ縁故寺院、檀信徒など二千人を超す参列者があった。法主は日蓮聖人から代々続いてきた久遠寺の住職であり法燈の継承者としての地位。前法主の第九十一世藤井日光上人が今年五月、高齢と病気療養のため勇退し、六月の身延山常置会で東京谷中・瑞輪寺住職の内野日総上人が新法主に推戴された。なお、藤井前法主は九月二十一日に遷化した。
当日は、薄曇りの中午前十時、総門から入山行列が出発した。古式ゆかしく玄題旗を掲げ奉送団や谷中瑞輪寺などの縁故寺院が列を成し、それに続いて三台の駕籠、先頭に南部光徹上人、真ん中に内野日総法主、後ろに井上瑞雄(ずいおう)総務を乗せて門前町の上り坂を練り歩いた。やがて一行は三門に到着、内野法主は三門前で出迎え会衆に向かい「宗祖大聖人の膝元で粉骨砕身重責を果たさせて頂きます」と礼を述べた。引き続き女坂を上って山頂・甘露門に到着、ここで駕籠を降り佛殿前に進み、万灯奴舞の奉納を受けた後、大玄関より入堂した。 入山奉告式は酒井日慈管長、小松浄慎宗務総長、各本山貫首、宗会議長および議員、法華系教団代表など参席の中、午後一時から井上瑞雄身延山総務、樋口是澄覚林坊住職を副導師として厳修された。開式が告げられ焼香、読経の後、内野法主は歴代法主名の連なる相承譜に九十二世法主名を記入した。 続いて奉告文を読み上げた。「不肖日総、徳薄垢重、浅学菲才をもって第九十二世の法燈を継承す。感激極まりなし。我が南部家の祖先もまたこの慶事をみそなわし必ずや加護あらん」「歴代の先師に比すれば、日総、遠く及ばざりしところなるも、この身延山の地に生を受け、日蓮聖人を思慕し、身延山を愛し、身延山を最も尊い霊山として尊崇せし心は決して人後に落ちざるものあり」「今日、身延山久遠寺の法燈継承の栄を与えられたるは、不肖日総、み仏の差配と信解し、先師並びに祖先の恩徳に応え、全国の教師檀信徒とともに、身延山の護持発展に尽瘁せんことを誓うものなり。ことには先代藤井日光猊下発願の五重塔の再建は、日総、全力をもって当たり、必ずや円成の暁を迎えて、猊下に報告せんと欲す」(要旨)・・・
平成18年臨時評議員会 明年より「昭和祭」を斎行 神社本庁
臨時評議員会での久邇邦昭統理(右)と矢田部正巳総長
=10月5日、東京・渋谷区の神社本庁大講堂
神社本庁(矢田部正巳総長、東京・渋谷区)平成十八年臨時評議員会(岩下忠佳議長、定数百六十七)が十月五日、百三十七人が出席し開催された。神社祭祀規程の変更では、中祭として明年より全国の神社で「昭和祭」が斎行されることが可決、決定された。補正予算は一億九千百九十五万二千九十四円が組まれ、神宮大麻頒布向上に五百万円、「昭和の日」啓発活動に八百二十万円増額されるなど諸事業に充てられる。三井秀夫前宮司が今なお居座る氣多神社(石川県)問題では、厚見益樹宮司(石川県神社庁長)を支援する決議を全会一致で可決した。 久邇邦昭統理は開会あいさつで悠仁親王殿下ご誕生に祝意を示し、六十二回伊勢神宮式年遷宮に関連して「諸祭、諸準備が古式にのっとり粛々と進められている。伊勢神宮奉賛会は全国各地で都道府県本部の設立が相次いでいる」と報告し、「斯界を挙げ、国民総奉賛の機運を高めていかねばならない」と述べた。 田中恆清副総長は、平成十七年度の活動について@皇室典範改正阻止A自主憲法制定B靖国裁判支援C式年遷宮の広報活動D国旗国歌の啓蒙E教育基本法改正F「昭和の日」の啓発など七点にわたって詳細に報告した。 @皇室典範改正阻止運動は昨年十二月、政府が皇室典範改正準備室設置をしたことにより本庁が基本見解を、その後、総長が談話を発表。十八年一月十九日、神道政治連盟主催「皇室典範改正阻止緊急集会」を支援した。秋篠宮妃殿下ご懐妊により皇室典範改正法案の国会提出が見送られたが、今後も引き続き皇室制度の整備に向けて国民の啓発に努める。 B靖国裁判支援は、A級戦犯分祀論を主張する政治家に対して、分祀論は神社祭祀の本義から不可能であることを関係議員、マスコミに示した。十八年六月、最高裁は千葉、愛媛、大阪裁判のいずれも原告の訴えを棄却した。しかし傍論が横行し、一部マスコミが情報操作しているので勝訴しても油断はできない。 E教育基本法改正は、政府の改正案は愛国心、宗教教育、教育行政が不十分。この三点を柱としてわが国の文化伝統に基づいた改正に努める。・・・
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