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  平成18年7月20日号社説
 

歴史を見る目と愛国心
 東京・文京区音羽にある真言宗豊山派大本山護国寺の岡本永司貫首に話を伺う機会に、同寺を創建した五代将軍徳川綱吉(在職一六八〇―一七〇九)について調べてみた。
 すると、生類憐みの令を出して庶民を苦しめた暗愚の将軍という世評は誤りで、実は当時の人々の道徳性を向上させた名君であった。生き物を大切にせよとの命令も、戦国時代からの殺伐とした風潮を改めんがため。断固とした施政の結果、人心は見違えるほど穏やかになったという。
 そこで今回は、山室恭子さんの『黄門さまと犬公方』(文春新書)に沿って綱吉を見直してみよう。

 人々の仁心が向上
 綱吉の悪評の大半は徳川家の公式歴史書『徳川実記』によっている。では、同記は何に基づいて綱吉のくだりを書いたのか。驚くことに、新井白石の『折りたく柴の記』だけを参照し、それ以外の史料には当たっていない。評判の大学者の本なので間違いはないという思い込みからである。
 ところが、白石は綱吉の後を継いだ家宣の側近。自分が盛り立てた将軍を実質以上に高く評価するため、先代の綱吉を貶めたのである。それはよくあることで、白石もまさか自分の綱吉評が、後世に確定してしまうとは思わなかったのだろう。ちなみに家宣は四書五経よりも講談を好む、平凡な将軍だった。無類の学問好きで、治世に熱心だった綱吉のほうが、歴代将軍の中では異色の存在といえる。
 綱吉は三代将軍家光の三男。本来なら将軍になることはなかった。ところが、長男の四代将軍家綱が子供をもうけないまま四十歳で亡くなり、家綱の弟綱重もその二年前に没していた。では綱吉に、となったわけではない。大老の酒井忠清は鎌倉時代の先例にならい、家綱の次に京都から有栖川宮を迎えようとした。大勢がその流れになる中、一人反対した堀田正俊は病床の家綱に綱吉を対面させ、将軍職譲渡の旨を語らせる。まさに危機一髪の逆転劇だった。
 期待されないで君主になったからこそ、努力して理想の君主になろうとする。それは、傍系であった閑院宮家から第百十九代天皇に迎えられた光格天皇(在位一七七九―一八一七)と似ている。理想の天皇像を追求した光格天皇は、中世以来絶えていた朝廷の儀式を復興させ、朝廷の権威の復権に努めた。近代天皇制の下地をつくったとして近年、評価されている。
 綱吉が将軍になったころの世相は、刀の試し斬りで浮浪者を斬って捨てたり、けんかをすると平気で相手を殺してしまうような、物騒な戦国時代の名残が色濃かった。儒教に傾倒し、自ら大名や側近に講義したほどの綱吉は、人々の「仁心」を涵養しようと心を砕く。その一つが、生類憐みの令だった。今で言えば「命を大切にしよう」というもの。そのほかにも、道路交通法や借家法に当たるような法を定め、町政にも介入し、生活の向上を図っている。
 生類憐みの令がそれほど悪法ではなく、処罰された人もわずかで、かなりの効果を上げていたことは、次の家綱が一気に廃止するのではなく、継続しながら運用面で緩和したことでも明らかだ。しかも、綱吉の治世の間、人々の仁心は確実に向上した。悪事を働いた奉公人を主人が手打ちにするようなことはなくなったという。
 
 先の大戦の真相も
 古今東西、歴史とはそういうもので、歴史は常に現代史だといわれる。六月一日、明治神宮崇敬会の大会で講演した櫻井よしこさんは、張作霖爆殺事件はスターリンの命を受けたソ連人が日本軍の仕業に見せかけて起こした、盧溝橋事件を日中戦争に拡大させたのは毛沢東が国民党に送り込んだスパイの仕業など、先の大戦に関する新事実を挙げ、「愛国心をもって歴史を見直す」よう訴えた。知的営みにも、情の裏付けが必要だ。
 ところで、岡本貫首の話は八月五日号に掲載。生類憐みの令を提案した妖僧といわれる隆光(りゅうこう)僧正の実像も明らかになる。お楽しみに。

クョスコニョ    [1] 
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