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  平成18年11月5日号社説
 

山内一豊の文化と政治

 今年も後二カ月、NHKの大河ドラマ『功名が辻』も終わりに近づき、高知を舞台に功名の総仕上げとなる。一豊は関ヶ原の戦功により、土佐二十四万石を与えられるが、果たしてうまく統治できるかどうかが見所。司馬遼太郎の『功名が辻』には、種崎浜で相撲大会を開いて抵抗する一領具足の指導者をおびき出し、銃で皆殺しにするという、一豊らしくない話が書かれている。実際にどう描かれるかは、これからのお楽しみ。
 
長宗我部の遺産
 先日、高知県立歴史民俗博物館で十一月二十六日まで開かれている「長宗我部盛親―土佐武士の名誉と意地―」展を見た。盛親(もりちか)は土佐の国最後の領主。関ヶ原で西軍についたことから追放されて京都に蟄居し、寺子屋の師匠などしていた。それから十四年後、大坂冬の陣で領地回復を目指し、旧家臣数百人を糾合して大坂城に入るが、夏の陣で敗れ、四十一歳で処刑される。
 土佐統一から初の四国統一を果たしたのは父元親(もとちか)。その原動力となったのが勇猛な一領具足と呼ばれる農民武士だった。平時には田畑を耕しているが、動員がかかると一領(ひとそろい)の具足(武器、よろい)を携え、はせ参じた。土佐に入った一豊は、彼らの抵抗に苦労する。
 そんなイメージを持っていたところ、同資料館学芸専門員の野本亮さんに「一揆を起こしたのは全体から見るとごく少数で、一割にも満たない。中上級家臣はほとんど一揆に与(くみ)していなかった」と言われた。「東部では土佐に入った一豊を歓迎し、家に招いて接待した記録が多く残されている。自分から目通りを願い出て、その場で庄屋職を与えられるなど協力者の方が多い。抵抗があったのは事実だが、全体的には一部のこと。そこだけを強調し過ぎると歴史を誤ってしまう」と。
 司馬はリアリズムを重んじる作家で、かなり歴史を正確に描写していると思っていたのだが、やはり小説の範囲なのだろう。
 また、今の高知市街地は一豊によってその基礎が造られた、と思っていたのだが、それも正確ではないという。野本さんは、「一豊の成功は元親、盛親がつくった下地を受け継ぐことができたことが大きい」と言う。
 元親が四国統一を成し遂げられた要因には織田信長との連携が大きい。当時、信長は畿内の平定に手を焼き、四国まで手を伸ばせなかった。そして、四国征伐を決めた直後、本能寺の変が起こる。豊臣秀吉の時代になると、元親は柴田勝家や徳川家康とよしみを交わし、秀吉をけん制しつつ、四国統一を達成した。
 元親の運が狂い始めるのは、秀吉が本格的に四国征伐に乗り出してからだ。圧倒的な兵力の差に降伏した元親は、阿波、讃岐、伊予を失い、土佐一国だけを安堵される。それからも秀吉の命で材木の供出や出兵を重ね、ついには豊後での島津との戦いで嫡男信親を失う。そして、家督を二男、三男を飛び越し、四男の盛親に譲ったことからお家騒動が起こる。
 秀吉の配下になって運が傾いたとの印象が強いのだが、野本さんは「土佐の近世化を図ることではプラスだった」と言う。太閤の名の下に検地を行い、家臣を城下に集住させ、元親百箇条などの法令を整備し、さらに上方への海の道である港湾を整備できたからだ。その成果を引き継いだのが一豊だった。
 
独自の寺社政策
 興味深いのは一豊の宗教政策だ。政治では旧来の踏襲を旨としたが、寺社政策については独自色を打ち出した。長宗我部氏の菩提寺はじめ崇敬されている寺社は保護するが、寺社領は総じて削っている。
 それに代わり、山内家が信仰する日蓮宗の寺や、一豊が掛川に建立した曹洞宗の寺を建て、多くの寺領を与えている。神社では、長宗我部時代に国分寺で行われていた千部経転読法会を一宮高鴨大明神に移し、目的も滅罪供養から国土安全祈念に変えた。
 自身の伝統文化は大事に守りながら、政治は合理的に現実に対応させることに成功したから、一豊は高知で功名を仕上げることができたのだろう。

クョスコニョ    [1] 
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