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平成18年5月520日号[天地] |
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先日、三十五年ぶりに山之辺の道を歩いた。天理から桜井まで、奈良盆地の東側の山すそにある、万葉の風が吹く道だ。犬養孝大阪大名誉教授が「采女の袖吹き返す飛鳥風都を遠みいたづらに吹く」を朗々と詠ったのを思い出しながら。当時に比べ、道がきれいに整備され、花がきれいに咲いているのに、大和の人たちの心遣いを感じる▼大神神社の北隣にある狭井神社では、石段の下で水色の袴の若い神官と、赤い袴の巫女が掃除をしていたのがいい風景だった。南隣の平等寺には聖徳太子のりりしい銅像が立っていた。聖徳太子が仏教に共鳴したのはその平等思想にある。それにふさわしい寺の名だと思う▼足を延ばして室生寺に行くと、シャクナゲがきょうで終わりという風情で迎えてくれた。大きな花弁は雨に弱い。よく持ちこたえてくれたと、その美しさを写真に収める。奥の院に息を切らせて登ると、野生の白いフジが元気だった。朽ちた色の屋根と花の白さが見事なコントラスト▼長谷寺のボタンも、多くは花を落とし、盛りの私を見てほしかったとつぶやいていた。こちらにはきれいなものだけを見るというアングルがある。同じように連れ合いを見れいれば、もっと大事にしてもらえるのに。しかし、先を急ぎたい天地子は、平気で置き去りにするという悪い癖が治らないから、一緒にお参りするのはよしたほうがいい。真言の修行の寺を訪れながら、つい人間臭いことを思ってしまうのはなぜだろう。
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