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平成18年8月5・20日合併号[天地] |
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相馬野馬追は神事と武士道の融合であると同時に、人と馬との物語だった。馬の産地・岩手県には、人と馬とが同じ屋根の下に暮らす南部曲り家がある。馬の祭りで有名な「チャグチャグ馬ッコ」は別名・蒼前(そうぜん)詣で、馬を飾り立てて岩手山麓の滝沢村にある蒼前神社にお参りする▼蒼前は相善(宗膳、勝善、相染)とも書かれ、馬の神様。昔、馬が好きになった姫様がいて、やがて相善宮と呼ばれるようになる。福島県には子眉嶺神社(別名、奥之相善宮)と呼ばれる神社があり、本社は延喜式名神大社である▼本紙に「モンゴル帝国の世界史」を連載中だが、モンゴルの強さも馬に負うところが大きい。そのモンゴルの民族楽器が馬頭琴。玄は馬のしっぽの毛を束ねたもので、やはり馬の毛を張った弓で引く。モンゴル語ではモリン・ホール(馬の楽器)と呼ばれる。この馬頭琴の誕生にまつわる民話が『スーホの白い馬』で日本の小学校二年生の国語の教科書でも紹介された▼スーホは貧しい羊飼いの少年。ある日、生まれたばかりの白い子馬を見つけ、大切に育てた。若者になったスーホと白い馬は、殿様が開いた競馬大会で優勝する。ところが、殿様は白い馬を取り上げてしまう。スーホの元に逃げ帰る白い馬。しかし、兵隊が放った矢が刺さってしまう。悲しむスーホに、自分の体で楽器を作るようにと伝え、白い馬は亡くなる▼昔、相馬では五反(五十アール)に付き馬一頭を飼うことが農民の義務だったという。これが関西だと牛になる。田を耕し、肥料を作り、子を産み、乳を出す馬や牛は農家の貴重な財産だった。人馬一体の技を堪能しながら、この国の人々の心の豊かさを思った。
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