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平成18年9月20日号[天地] |
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九月九日、京都御苑の東側にある梨木神社にお参りした。明治維新の功労者として知られる、三条実万(さねつむ)実美(さねとみ)父子を祀る神社で、実万が安政の大獄で剃髪して引退した後、三条家の旧邸に明治十八年に創建された。境内を覆うように咲く萩の花で有名なのだが、この日はまだちらりほらり。「萩まつり」は十六日なので、一週間早過ぎたようだ▼境内の清め水をポリ容器に何本も入れている婦人がいた。ここに湧き出る水は「染井の水」と呼ばれ、醒ヶ井、県井とともに京都三名水の一つとして知られ、その中で唯一現存しているもの。天地子が空のペットボトルを手に見ていると、「一本ならお先にどうぞ」と蛇口を譲ってくれた▼本殿にお参りし、東側の門を抜けると、紫式部ゆかりの慮山寺(ろさんじ)がある。ここにかつて紫式部の邸宅があり、『源氏物語』などを執筆したという。本堂前の「源氏の庭」は白砂が敷かれ、島を思わせる苔の緑に、紫式部にちなんでキキョウが植えられていた。こちらは少し遅過ぎたようで、紫の花はちらほら▼写真などでは、二月の節分に大師堂で行われる「鬼の法楽」のほうが記憶に残っている。赤・青・黒のぶくぶく衣裳を着けた鬼が踊り回り、その鬼めがけて紅白の豆ともちを投げ、悪霊退散を祈願するユーモラスな行事だ▼そこから南へ三分ほど歩くと、新島襄の旧宅がある。新島襄は明治八年、京都府顧問の山本覚馬の勧めで同志社英学校を設立、同志社の歴史がここに始まる。旧宅はその英学校があった場所。急に同志社出身の友達の顔が浮かんだので中に入ると、「入場は四時までなんやわ」とやんわり断られた。わずか十五分なのに。まあ、時にはこんな日もある。
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