昭和天皇のご聖徳に感謝を 「昭和の日」シンポジウム 皇室祭祀につながる祭日
「昭和の日」シンポジウム。(右から)大原康男氏、長谷川三千子氏、高森明勅氏
=4月4日、東京・文京シビックセンター
昭和天皇の誕生日に当たる四月二十九日の祝日が昨年「みどりの日」から「昭和の日」に改められ、本年は施行一年目。それを記念し、神社界は「昭和祭」として祭祀を斎行し各種団体は奉祝行事を企画している。その一つとして四月四日、「『昭和の日』への想いを再確認しよう」と「『昭和の日』シンポジウム」(主催、NPO法人「昭和の日」ネットワーク=中尾哲雄理事長)が東京・文京区の文京シビックセンターで開催された。昭和天皇のご真影が掲げられた会場に三百人が詰めかけ三氏の発言に耳を傾けた。
発題者は大原康男國學院大學教授と長谷川三千子埼玉大学教授の二氏、司会は高森明勅日本文化総合研究所代表。 大原氏は「本年、この日を祝えるようになったことを喜びたい」と祝意を表しながらも「祝日法にはGHQ(連合国軍総司令部)の残滓が色濃く残っている」と前置きし、「神武天皇祭(四月三日崩御)、神嘗祭(十月十七日)、大正天皇祭(十二月二十五日崩御)、紀元節(神武天皇即位の日、後に建国記念の日として復活)がGHQによって廃止された。残された祝日も、明治節(明治天皇誕生日)は文化の日(十一月三日)に、宮中で最重要祭事である新嘗祭(十一月二十三日)が勤労感謝の日に変えられた。新たにこどもの日、成人の日、憲法記念日がつくられた」と祝日を廃止、改変、新設の三つに分け、「祝日法はGHQのわが国に対する精神的武装解除の一環だった」と占領政策を批判した。 その上で大原氏は「祝日法制定前の昭和二十三年七月まで四祝日(元始祭ほか)、七祭日(新嘗祭ほか)は皇室の祭祀とつながり国民の生活に入っていた」と祝祭日と皇室祭祀の密接な関連について言及した。「四月二十九日を『みどりの日』から『昭和の日』に変更したことは皇室とのかかわりの中で本来の姿に戻った」と実施の意義を語った。その一方で、経済効果を狙った三連休のハッピーマンデーを挙げ、祝祭日を単なる休日と認識する国民の意識低下を憂慮した。 長谷川氏は国体論から話を進めた。「国体は風土論、日本文明の総合的な在り方として論じられていたが、共産主義が入って狭い国体論になった。・・・
大本山増上寺御忌大会 恩徳讃え149カ寺が上山
庭儀で法要の無事円成を祈願する唱導師の荒木昌善金藏寺住職(中央)
=4月6日、東京・港区の浄土宗大本山増上寺
ソメイヨシノが春風に舞う浄土宗大本山増上寺(成田有恒法主、東京・港区)境内。宗祖法然上人の忌日法要である恒例の御忌大会(ぎょきたいえ)が四月二日から七日まで開催され、全国から百四十九カ寺の檀信徒らが上山し、法然上人の御前に立ち念仏を唱え、恩徳をたたえた。五日、六日、七日は唱導師が法主に替わり日中法要の導師を勤めた。総本山知恩院(京都)の御忌は四月十八日から二十五日まで執り行われる。 六日、栄えある唱導師に任命された荒木昌善金藏寺住職(東京・江戸川区)が大梵鐘の打ち鳴らす鐘を合図に木遣、式衆、稚児、聖歌隊、随喜寺院らを率いて大門を発つ。お練は三百メートルに達する。唱導師が三門をくぐると三門楼上から散華が輝き舞い、極楽浄土が再現する。随喜寺院が特設舞台まで進みそれを囲む。読経のなかやがてその中央に唱導師が立ち庭儀が始まる。唱導師は正面の本堂の一点を凝視し法要の無事円成を祈願した。 千人を超す檀信徒が本堂を満たすなか唱導師、式衆が本尊阿弥陀如来と法然像の前に着座する。成田法主の十念授与で法要開始。増上寺雅楽会が演じる奏楽のなか法要は粛々と進む。十種供養、お菓子、茶が金藏寺の寺族、関係者らによって供えられる。 唱導師は「追慕の念禁じ難く…報恩の丹精を現す」と表白文を奏上、法然上人の徳をたたえた。焼香、一枚起請文唱和、引声念仏と続き唱導師の十念をもって法要は滞りなく終わった。同法要には大本山善導寺(福岡県・久留米)の阿川文正法主が臨席した。 お練に先立ち、庭儀舞台で舞が奉納された。曲目は右方一人舞の「還城楽」(げんじょうらく)。色彩鮮やかな装束、ユーモラスな姿が参詣者、観光客の目を楽しませた。 同日午後の説教者は後藤眞法圓通寺住職。後藤住職は法然上人が父から遺言されたという「なんじ仇人を恨むことなかれ、これひとえに前世の宿業なり。遺恨結ばば…」を紹介し「家を焼かれ母と別れた法然上人は九歳でこの遺言を聞いた。三十四年間かけて『怨親平等』の真意を悟った。念仏の教えという結論を得たのだ。念仏を唱えることによって敵味方の区別なく極楽浄土に生まれ変わることができる」と念仏唱和の尊さを伝えた。・・・
<2面>
- イスラム信仰への回帰を
サウジ・アブドラ国王が演説 アラブ首脳会議
- タイ仏教から見たスリランカ仏教
タイ上座部仏教研究センター所長 松下正弘
<3面>
- 神道禊教教祖大祭
「ウマシ心を保て」
- 全日本仏教尼僧法団
チャリティー茶会に500人 収益金はSVA、日赤へ
<4面>
- 春の斑鳩の里を歩く
聖徳太子が夢を描いた地
- 連載・日本人の霊性(64)
清沢満之(3) 満之の回心
<5面>
- 国際日本文化研究センター・シンポ
日本文明の特質と世界性 21世紀世界における役割を議論
- 神習教春の本祠大祭
特立130年記念実行委発足
<6面>
- 人・インド料理スジャータ店主 ジャガット・プラサドさん
世界の人にインドの味を
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