残る半年で24億円達成を 神社本庁臨時評議員会 式年遷宮奉賛会の募財
挨拶する久邇邦昭統理=10月5日、東京・渋谷区の神社本庁
平成十九年度神社本庁(矢田部正巳総長)臨時評議員会(岩下忠佳議長、定数一六八、出席一四二)が十月五日、東京・渋谷の神社本庁大講堂で開催された。式年遷宮奉賛会の募財状況報告のなかで「平成十九年度の目標額二十九億円は二十五年までの年度目標額としては最高額。すでにこの半年で五億円の納金があった。明年三月まで六カ月を切っている。残りの期間で二十四億円の募財活動の展開が願われている」と田中恆清副総長が述べ、全国の式年遷宮奉賛会地区本部に対しさらなる協力を求めた。平成十九年度の一般会計歳入歳出補正予算案など十三の議案が上程され原案通り承認または決定された。次年度に一億五千四百三十六万千九百七十八円が繰り越された。
神殿拝礼、国歌斉唱の開式に続き久邇邦昭統理は「七月二日、神宮大宮司に鷹司尚武氏が就任した。喜びに堪えない。十月中に式年遷宮奉賛会地区本部が全国の都道府県に設置される。本庁としても斯界を挙げ国民総奉賛の機運を高めていく。内外の情勢は多くの問題を抱えている。惟道の道を歩む我々はかかる状況を深刻に受け止め敬神崇祖を基本に据えて健全な社会の回復を目指していく」と挨拶した。 宮崎義敬神道政治連盟会長に引き続き有村治子参議院議員が来賓挨拶。有村議員は「六年経って舛添要一氏以下十人いた議員は二期目の今回の選挙で八人が改選を目指した。全国的知名度が高く、組織力のある人でも落選して舛添氏と私だけが残った。神政連に一本に決めてもらったことが有り難い。本物の議員となっていくための登竜門といわれる全国自民党女性局長となった。福田内閣、自民党の幹部のなかには神社界と相容れない人もいる。ここに警鐘が鳴らされていることも事実。それ故私たちの思いを意思決定に近いところに入っていけるよう全力を尽くす」と当選挨拶に加え国会議員として日々の研鑽を誓った。 議案第一号に上程された「平成十八年定例評議員会における評議員提出議案件等の処理結果」六件を田中副総長が報告。「昭和の日」―昭和の日普及委員会を組織しインターネット上へのオフシャルサイトを開設。祝日の意義啓発のために「正しくわかる・伝えられる 日本の祝日と国旗・国歌ハンドブック」を頒布した。本庁教化サイトに昭和天皇の御製を載せた。月刊「若木」に社頭講話例を掲載した。昭和祭、昭和天皇祭遥拝を規程したので氏子にご事跡について社頭で講話を実施してもらいたい。「皇室典範改正」―悠仁親王ご誕生により現在論議自体が沈静化している。若手国会議員を対象とした勉強会で皇位継承制度、皇室関係諸法令の整備に向けて取り組んでいる。本庁のウェブサイトを活用して世論喚起に努めてきた。「自主憲法制定」―平成十九年五月、国民投票法案が成立した。天皇条項、憲法九条、安全保障、政教分離規定など現行憲法の問題点の研究を進めつつ民間憲法臨調(「21世紀の日本と憲法有識者懇談会」においてわが国の歴史、文化、伝統に基づく自主憲法の制定を目指す活動をしていく、と一年間の活動を報告した(六件中三件)。 式年遷宮の募財活動の現況については「平成十九年度の目標額二十九億円に対しこの半年で五億円の納金があった。明年三月まで半年を切っている。残りの期間で二十四億円の募財活動の展開が願われている。それには遷宮の意義を分かりやすくまた伊勢神宮を知らない層に照準を当てた的確な啓発活動の展開が急務だ」と募財達成を願い出た。・・・
「平成の五重塔」復元 平成21年5月に落慶式 身延山久遠寺
建設中の五重塔、3層目の屋根の部分
日蓮宗の総本山、身延山久遠寺(内野日総法主)では、五重塔の建立を進めている。これは明治八年の身延山の大火で焼失して以来、百三十年ぶりに「平成の五重塔」として復元されるもの。混迷した現代に一大浄行として人々の心のよりどころにしたいとしている。二年間の設計、施行準備期間ののち、平成十八年に着工、平成二十年十一月には完成の予定となっている。この六日、建設現場を地元関係者はじめ報道関係者などに公開した。 五重塔の建設地は三門から二百八十七段の菩提梯(階段)を上りきった左手、本堂から見て右斜め向かいに位置する場所で、二年間の設計および準備期間を経て昨年一月に着工、来年十一月の竣工の後は塔内の飾りつけなどを整え、平成二十一年五月十三日から十七日の五日間にわたって落慶式を行う予定。 元和の塔は江戸初期、加賀藩初代藩主・前田利家公の側室であり第三代常長公の生母であった寿福院が、篤い法華経信仰から利家公の菩提を弔うために元和五(一六一九)年に建立・奉献したもの。当時徳川幕府の御大工として活躍していた鈴木近江守長次(すずきおうみのかみながつぐ)が建設に携わった。しかしその後落雷で焼失、幕末期に再建したが、明治八年の身延山の大火で再び他の全ての堂塔・伽藍と共に焼失している。 今回の再建は、元和の塔を根幹に据え伝統木造工法にこだわった「復元の塔」。それに基礎や構造補強などの部分で現代技術を融合させている。技術関係者によると、材料、工法、意匠にわたって当時の姿を再現しようとする、技法的な点でも大きな価値を見ることができる貴重な建造物だと語っている。 塔の規模は基壇(石積みの土台)の八十センチを含め三十九メートル、中心となる芯柱は三十八メートルあり、これは三本の木を上に継ぐ形で立てられる。そのうち二本は身延山で伐採した樹齢およそ四百年と推定される杉材が用いられた。この七月、奈良の工場に送って工作されてきた芯柱を、建設関係者や地元身延町住民らの熱意が結集して「芯柱奉曳式」が行われ、白布が巻かれた芯柱が仲町駐車場から三門までおよそ六百人の手で引き上げられた。 身延山久遠寺は明治八年の大火で百四十四棟になる塔頭を全て焼失した中から、徐々に再建を重ね、先の立教開宗七百五十年記念事業を以って本堂など伽藍のほぼ全容を再建完了した。この五重塔復元が身延山復興の最後の総仕上げとも言うべき大事業となった。・・・
<2面>
- ミャンマーの暴力に反対
ダライ・ラマ法王と共同声明 国際宗教同志会
- 宗教遺跡めぐる争い
エリコ、ベツレヘム、ヘブロン パレスチナ
<3面>
- 日本会議設立10周年記念大会
明年に御即位20年奉祝行事
- 教主ご垂教集会
研ぎ澄ませよ感謝の心を 松緑神道大和山
<4面>
- 本紙講演会(下)
北朝鮮の宗教事情/山梨学院大学経営情報学部教授 宮塚利雄 食糧難で外国の支援仰ぐ 聖書の流入を恐れる当局 小学校から反宗教教育
<5面>
- 保護司等中央研修会
法務大臣表彰に千人 法務省
- 光明寺十夜法要
鎌倉の山に響く雲盤太鼓
<6面>
- 人・芝大神宮宮司 勝田勇師
「都市と共生する神社」を求めて
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