第42回教誨師中央研修会 更生、社会復帰に民間の力を 新法下で教誨事業の充実図る
第42回教誨師中央研修会で挨拶する山田義俊全国教誨師連盟理事長
=9月3日、東京・千代田区の法務省庁舎
九月三日から五日までの三日間、東京・千代田区の法務省庁舎において、財団法人全国教誨師連盟が主催、法務省が協賛する第四十二回教誨師中央研修会が開催された。全国から五十八人の教誨師が参加し、三日は記念講演と基調講演、四日は協議会と合同役員会、五日は「矯正の現状〜非行少年とその処遇〜」の講演があった。閉会後、教誨事業功労者表彰式典があり、二十五人が法務大臣より、十二人が日本宗教連盟理事長よりそれぞれ表彰された。また、東京矯正管区管内教誨師連盟が全国教誨師連盟総裁より表彰された。
三日、開会式があり、山田義俊全国教誨師連盟理事長が挨拶。「本年六月に刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律が施行された。また、PFI方式による全国初の刑務所、山口県美祢(みね)市の美祢社会復帰促進センターが五月に開所し、続いて栃木県さくら市、兵庫県加古川市、島根県浜田市に同様の施設が誕生する。本年秋には少年法が改正される見込みで、矯正を取り巻く環境が戦後六十年で大きく変わろうとしている中、教誨事業の充実を図り、成果を上げたい」と述べた。 続いて、梶木壽法務省矯正局長が「矯正施設における宗教教誨という重要かつ困難な事業に尽力されていることに心から敬意を表する。監獄法が百年ぶりに改正され、刑政行政は新しい時代を迎えた。新法では被収容者の人権を尊重しつつ状況に応じた適切な処遇を行うことが求められ、被収容者の宗教上の行為がいかなる場合に認められ、制限されるかについて明確に規定されている。社会との連携も欠かせず、とりわけ被収容者の宗教教誨については教誨師の活動が重要である。一方、少年法が一部改正され、これまで十四歳以上であった収容下限年齢がおおむね十二歳以上となり、家庭裁判所が特に必要と認める場合には、小学生が少年院に送致される可能性が出てきた。複雑な問題を抱えた少年を更生させるには、心を受け止め温かく導く教誨師の活動が支えになる。皆様の協力を得て、新しい時代の刑政行政を確立していきたい」と挨拶した。 記念講演では、財団法人小さい奉仕の会の櫻井よしこ会長が「国際社会における日本人のあり方」について、次のように講演した。 今の日本の最大の脅威は中国だ。胡錦濤政権は安倍政権以降、微笑外交に転換したが、水面下では米下院での慰安婦決議など反日キャンペーンを世界で続けている。 米国のアジア政策には三つの流れがある。民主党は中国寄りで、クリントン大統領は政権末期に九日間訪中したが、同盟国の日本には立ち寄らなかった。民主党大統領候補のオバマ氏は、アジアの新しい秩序では中国が指導的役割を果たすべきだと述べている。 共和党には、手段を選ばない超現実外交がある。その筆頭がライス国務長官で、北朝鮮が核兵器を放棄するなら、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に書き換え、テロ支援国の規定を解き、国交樹立しようとしている。そうなると日本は孤立する。中国は不愉快に感じているが、朝鮮民族は日本以上に中国が嫌いだ。そこで、中国は日米分断に出ている。共和党にはもう一つ、民主主義、法治、人権を重視するネオコンらの価値観外交があるが、イラクに足をとられ影響力が弱まっている。 国民を守るのが政府の使命だから、日本は拉致にこだわるべきだ。孤立するかもしれないが、孤立に耐える精神を持たないと一人前ではない。 次いで、北村昭彦矯正局総務課矯正調査官が「PFI手法による新しい刑務所について」と題し、矯正局が行っているPFI事業一号から四号までの紹介とその課題について、次のように基調講演した。 美祢社会促進復帰センターは男子五百、女子五百の計千人を収容する。同様の島根(男子二千人)、喜連川(男子二千人)、播磨(男子二千人)の施設も整備が進んでおり、いずれも初犯の受刑者が対象となる。 PFIは公共施設の建物、維持管理、運営を民間の資金、技術を活用して行うもので、官の計画を民の創意工夫で効率的に実現する手法として期待されている。また、事業費が延べ払いできるので、財政難の中でも実施が可能だ。 美祢では建物の配置や構造、作業のブルーベリー栽培など民間が提案した。受刑者に着けたICタグによる位置情報の把握で、受刑者は職員の連行なしに歩ける。外壁はフェンスで周りと違和感がない。地元との共生を図るため、民間事業者の職員は地元採用し、美祢市立病院に診療委託し、周辺に美祢市の樹である桜を植えた。
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本年度宗教法人実務研修会 社会での信頼向上目指す さいたま市
「宗教法人の管理運営」について講義する大西宏道・文化庁文化部宗務課宗教法人室法規係長
=9月4日、さいたま市
九月四日、平成十九年度第一回関東甲信越静地区宗教法人実務研修会が文化庁・埼玉県の主催により、さいたま市浦和区埼玉県県民健康センターで開催された。財団法人日本宗教連盟、埼玉県宗教連盟の協力で参加したのは、茨城、栃木、群馬、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡および埼玉の各都県に主たる事務所を置く宗教法人等の法人事務担当者や宗教連盟等の役職員約二百五十人。 文化庁では、昭和四十二年以来、全国の宗教法人等の法人事務担当者を対象として、法人意識の徹底、事務処理能力の向上など、宗教法人の管理運営の適正化に資するための「宗教法人実務研修会」を実施している。本年度は、埼玉のほか、北から秋田、新潟、富山、和歌山、岡山、香川、熊本、鹿児島の各県で開催される。 研修会は午前、最初に大西宏道・文化庁文化部宗務課宗教法人室法規係長が挨拶に立ち、宗務行政に対する理解への謝辞を述べたのち「宗教法人事務担当者の事務能力の向上を図り、もって管理運営の適正化を計る目的で、全国九箇所で文化庁および都道府県の共催で開催されているもの」との趣旨を述べ、「宗教は人類にとって道徳的基盤であり生きる支えともなる大切なものであることは言うまでもないが、市民生活と切り離して考えることはできない。宗教団体が市民社会において効果的かつ健全に活躍できるように制定されているのが宗教法人制度。昨今の政府による公益法人法改正の推進や法人に対する真価の注目の高まりなどは、社会の中での宗教法人の意義を考えさせるものかもしれない。研修会を通して、宗教法人としての位置と責任、かつ公正な管理運営を再度認識していただき、社会における宗教法人の意義と信頼をより高めるようお願いする」と、結んだ。 その後、開催県を代表して小林敏男・埼玉県総務部学事課副課長が歓迎の挨拶を述べた。 続く共通講義では、大西係長が「宗教法人の管理運営について」、以下の九項目に関する基本的な内容を約五十分間にわたり講義した。@宗教法人法の基本理念と特徴A宗教法人の規則B宗教法人の役員C宗教法人の事務の決定D規則の変更E財務運営F事務所備付け書類・帳簿G宗教法人の事業H登記と各種届出。 午後はコース別講義に分かれ、基礎コースでは、埼玉司法書士会司法書士・矢部一臣氏の「登記の基礎知識」と浦和税務署法人課税務門審理専門官・浦野勉氏の「税務の基礎知識」の二つの講義があった。・・・
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