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平成19年6月5日号[天地] |
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田植え機で植えられた苗は一株二、三本から四、五本だが、しっかり根付くと「分けつ(枝分かれ)」が始まり茎が増えていく。しかし、放置しておくと穂にならない茎が出るため、二十本くらいで「中干し」する。一週間ほど水を抜いて土を乾かし、地中の余分なガスを抜いて新鮮な空気を土の中に呼び込む。中干しはイネの根を健康にするとともに、分けつを抑える働きがある▼東南アジアの湿地帯が原産地とされる稲は、葉から取り入れた酸素を根にまで行きわたらせることができるので、水に浸かったままでも穂を実らせる。ところが乾燥地が原産の麦は、根から酸素を取り入れないと枯れてしまう。風土に合わせて植物は最適の生育戦略を取ってきたことが分かる▼この時期、黄色く色づき始めた麦畑の上ではヒバリが鳴き続け、田植えの終わった水田には気の早いツバメが舞い、ゴイサギがえさを探す。水の中では小さなオタマジャクシが無数に動き、里山ではウグイスが優雅な声を響かせている。その里山では青葉が萌え上がり、まさに命の爆発を思わせる季節だ▼人間をはじめ動物は動いてえさを取るが、植物はじっとしていながら光合成で自ら栄養を作り出す。この全く違った生存戦略をした植物と動物が今、地球上に繁栄している。動物である人間はもっと植物のことをよく知り、その知恵に学ぶ必要がありそうだ。
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