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平成19年7月5日号[天地] |
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岡山県赤磐市の石上布都魂(いそのかみふつみたま)神社には、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を斬った「十握剣(とつかのつるぎ)」を祀ったと伝えられ、日本書紀にも数カ所そう記されている。布都(フツ)は物を斬るときの擬音で、布都魂とは長剣を意味する十握剣のこと。同神社の御神体は今は素盞嗚尊だが、明治以前はその剣だったという▼十握剣は、崇神天皇の時代に大和の石上神宮(天理市)へ移されたとされ、同神宮の社伝にもそうある。同神宮は武器を管理する物部氏の神社。石上氏も物部氏である。明治七年に同神宮の大宮司が禁断の地を発掘したところ、全長八五センチの錆びた鉄剣が出てきた。なたのように内反りの剣で、直刀より古い形だという▼石上布都魂神社の物部忠三郎宮司は十代目で、備前岡山藩主の池田綱政が寛文九年(一六六九)に社殿を再建し、宮守りしていた祖先に物部姓を名乗るよう命じたという。近くにはたたら製鉄の跡もあり、大工の建部やとび職の軽部など職業集団を意味する部の付く地名も多い▼十握剣は「韓鋤(からさひ)の剣」とも呼ばれ、半島とのつながりをうかがわせる。吉備路には大和のように多くの前方後円墳があり、大和や出雲と並ぶ吉備王国の存在を強く印象付けられた旅だった。
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