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平成19年8月5・20日号[天地] |
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四日早朝、醍醐寺が開く九時までにと、上醍醐寺に登った。急な石段と坂道を一時間、汗が噴き出してくる。一緒に登る人は高齢者のそれも女性が多い。真言宗の寺はどこも深い山の中かふもと。女性たちは息を切らせて登りながらもおしゃべりする。聞いているとどうでもいいような話なのだが、それがまた元気の素なのだろう。安倍首相のように、手をつないで降りてきた中年夫婦もいた▼同寺は西国三十三カ所霊場中最大の難所とされる。途中で道が下り始めたので不安になって後ろの人を待つ。「ここが頂上ですか」と聞くと、まだ先があると指差す方を見れば、朝霧の向こうに伽藍の屋根があった▼目指す上醍醐寺には白装束のお遍路さんが集まっていた。聞くと、久留米からバスと船を乗り継いで来たという。「おはようございます」と言うと、「こんにちは」と応えて、「朝早くから登っているので、もうお昼かと思った」と。時計を見ると八時半▼同日夕方、比叡山の集まりを終え、ケーブルで坂本に降りようとしたら道を間違え、間一髪で最終便に乗り遅れた。仕方なく歩いて下山。学生時代に八瀬から登ったことはあるが、坂本側は初めて。軽率を嘆きながら、これも何かの縁かと日明かりの残る山道を急ぐ。登り十分だった四キロの道を三十五分で駆け下り、坂本駅で予定の京阪電車に。朝夕二回汗に濡れ、命の洗濯ができた。
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