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社説
   平成20年4月20日号
 

神宮の魅力は日本の魅力
式年遷宮について語る夕べ
曾野綾子氏らが講演

 

 

「遷宮には職人国家の基本がある」と語る曾野綾子氏=4月4日、東京・千代田区の経団連会館

 

 平成二十五年に行われる伊勢神宮の「第六十二回式年遷宮」に向けて、伊勢神宮式年遷宮広報本部(田中恆清本部長)が主催する伊勢神宮シンポジウム「第三回式年遷宮について語る夕べ」が四月四日、東京・千代田区の経団連会館で開催された。年に一度行われているこのシンポジウムは今回が第三回。約五百人が集う中「伊勢神宮の魅力とは」と題して東京大学大学院教授の菅野覚明氏と作家の曾野綾子氏が講演した。

 初めに、インド人のマンジョット・ベティ氏が製作した伊勢神宮の映像が紹介されたあと、主催者を代表して田中本部長が「遷宮の心とは『よみがえり』と言える。神威も日本人の心も体も全て新しくよみがえらせる、そのための取り組みが二十年に一度の遷宮という行事。日本人の知恵が凝縮されてそこに織り込まれ、千三百年にわたって伝えてきている。遷宮の心を次の世代に伝えたい」と挨拶した。
 曹洞宗の僧籍を持つ菅野氏は「遷宮―清浄の原点」と題して講演した。冒頭、「神社のイメージは、青々とした森、白い砂、澄んだ水の三点セットで、それは日本の山水のミニチュアであり、そこに清浄感がある」と述べた。万葉以来、渓流や岩壁、中洲があり、山が青々としていることが日本人の感じる「清らかさ」の原イメージであるとし、日本人が持つ美観の基調は「清らかさ」であると説明した。
 さらに「山川の清けし」は、神様がおられる霊地に対して用いられ、その清浄感は、「美しく澄んでいる」ことと「畏怖」が合体したもの。山川には威力を秘めた神様が鎮まっており、その緊張感をもって調和した状態を「清浄」「美しい」と言う、と述べた。
 山川は春夏秋冬、毎年絶えず変わっているが、山川の美しさ、清らかさは変わらない。その自然観が、固定を排して常に更新するという日本人の知恵、文化を形成している。その最も大規模なものが、国家規模で行われるご遷宮である。神宮の美しさは日本の美の伝統である。神宮の魅力は日本の魅力そのもの、それは一言で言えば「清浄の美しさ」である、と締めくくった。
 続いて曾野氏が「砂漠の民、森の民の信仰」と題して講演。カトリック信徒である曾野氏は、「日本人は森の民として恵まれた環境に暮らしているが、世界が分からないとその幸せの意味も分からない」として、宿命的に砂漠に生まれた人々の信仰や価値観を、自身の旅行体験を踏まえて説明、豊かさと対極にある過酷な環境の中で一神教が生まれてきたことを解説した。
 さらに、イスラエルのヘルモン山からガリラヤ湖、そしてヨルダン川に流れ込む水が周囲に緑をもたらしてきた状況と、水を取り込むだけで何も周囲に与えずどんどん塩辛い水になり、魚が一匹も棲(す)まなくなった死海の状況を対比して、「森は与え、砂漠は奪う」と説明した。そして、日本の自然の豊かさを強調し、遷宮行事の御杣始祭について「木の切り方ひとつにも、日本のふるさとを思わせる自然の温かさがある」と語った。
 また、世界の国家を政治的、経済的、職人的国家という三つの形態に分類すれば、「遷宮は、民主的な技能国家としての日本の、あらゆる意味での象徴のように思う」と述べ、「すべてを新しくする遷宮において、織物や木工などそれぞれの職人が、一番いい伝統技術を二十年に一回、代を重ねて伝承しながら、それを納めている。神様が見ている前で、職人が身を清めて仕事をする遷宮は、日本の命であり職人国家の基本というべきものを持っているのではないか」と述べた。
・・・

 

法然上人御忌大会
854万遍念仏の真心捧げ
増上寺


開花した桜を背に法要の無事円成を祈願する唱導師・角岡隆壽源空寺住職

=4月6日、東京・芝の大本山増上寺

 

 法然上人の忌日法要「御忌(ぎょき)」が四月二日から七日まで浄土宗大本山増上寺(成田有恒法主、東京・芝)で厳修された。六日の日中法要唱導師を東京・浅草の角岡隆壽源空寺住職が勤めた。同寺檀信徒土曜念仏会百十九人は唱導師指名の日から八百五十四万余遍の結縁お念仏を唱和し真心を捧げこの日を迎えた。
 吉水講聖歌隊、稚児など長いお練を率いる唱導師が三門をくぐると桜上から無数の散華が舞う。随喜寺院百二十カ寺が囲む庭儀台に七條袈裟の唱導師が上台し庭儀式に入る。浄水で清め十方諸仏の降臨を請い法要の無事円成を祈願する。満堂の源空寺檀徒、随喜寺院檀徒が合掌して迎えるなか、唱導師はおもむろに大殿に入殿、内陣中央に進み弘法大師像に三礼して着座、雅楽の調べに合わせ法要開始となる。
 式衆の読経のなか土曜念仏会の代表によって八百五十四万三千八百八十四遍の結縁お念仏記録が本尊前に奉納された。百日講、寺族が菓子、茶を供え仏前を荘厳すると唱導師が表白文を奏上。再び読経のなか宗門関係者、法類、寺族、総代、檀信徒、参詣者の順で焼香した。次に太鼓と鉦打ちに合わせ引声念仏が唱えられた。最後に唱導師が焼香し一時間半にわたる法要をつつがなく終えた。
 日中説教は八木季生一行院住職(増上寺布教師会顧問。平成十八年の唱導師)。八木師は、法然上人の生い立ちに始まり、万民救済の道を求め比叡山で苦悶する四十三歳までを追いながら、善導大師の観無量寿経の注釈書の中の「南無阿弥陀仏を唱えれば仏の本願ですべての人が救われる(他力本願による救い)」を見いだし、比叡山から下山して教えを広めるまでを語った。
 八木師は法然上人以前の教えを自力本願、以降を他力本願の教えと区分し、両者の違いを川の渡り方にたとえ、「川を泳いで向こう岸に渡るか、もう一つは舟に乗って渡るか。泳ぐことは学問を修め厳しい修行に耐えること。果たして舟は着くのか、沈まないか、と疑問を持たず、自分の全体を任せる以外に此岸から彼岸に着く道はない」と平易に解説した。・・・

 

<2面>

  • 自爆テロでカトリック閣僚死亡
    交流促進のマラソン大会で
    スリランカ

  • インドで日印文化交流
    インド文化協会
    華道、茶道、かずら工芸

<3面>

  • ヘブライ大学長が特別講演
    農業による地球環境の再生
    超宗教フォーラム

  • 東南アジア上座部仏教の旅
    タイ、ラオス、カンボジア
    松下正弘 タイ上座部仏教研究センター所長

 

<4面>

  • 日本基督教学会学術集会
    ノアの箱舟の考察など
    同志社大

  • 連載・古典に親しむ 『平家物語』7
    市谷亀岡八幡宮宮司 梶謙治
    平家没落の転換点

<5面>

  • 第45世藤田隆乗貫首晋山式
    寺門興隆に一身を賭す
    川崎大師平間寺

  • 御廟修理落慶法要と講演
    法然の遺骨を安置
    知恩院

<6面>

  • 「光州5・18」のキム・ジフン監督
    光州事件を初の娯楽映画化
クョスコニョ    [1] 
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