同志社大一神教学際研究センター講演会 イスラームに学ぶ姿勢を グローバル化と宗教間対話
イスラーム理解を中心に考えた公開講演会=7月19日、京都・上京区の同志社大学
同志社大一神教学際研究センター主催の公開講演会が七月十九日、京都市上京区の同大で開かれ、塩尻和子・筑波大特任教授が「宗教間対話の問題点―イスラーム理解を中心に―」のテーマで講演した。長年、イスラームの古典研究などで中東に滞在した経験を土台に、『イスラームの人間観・世界観』『イスラームを学ぼう』などの著書もある塩尻教授は、特にグローバリゼーションの観点から宗教間対話の重要性について持論を披瀝した。
塩尻教授は、まず「現代はグローバリゼーションが予想以上に進展した時代であり、ポスト・グローバリゼーションの時代を見据えて宗教を考察しなければならない」として、イスラーム社会におけるグローバリゼーションについて問題提起した。 「ユダヤ教、キリスト教、イスラームという三宗教の間で、当初からイスラームが最も多元主義的との誤解や反発を生んだ。七世紀初頭のアラビア半島で見られた頑迷な部族主義や血縁主義を廃し、普遍的な宗教として起こったイスラームには、グローバリゼーションという言葉の本来的な概念、つまり『地球上のすべての人間は神の被造物であり、神の下で全く平等である』という概念が見られるからだ。この概念こそが急速なイスラームの伝播と拡大につながった」とした。 その上で同教授は、「今日のグローバリゼーションはアメリカ中心主義という新しい衣をまとっており、その枠組みは欧米中心の自己認識にすぎず、特定の政治的、経済的な意図を持った・・・
永平寺夏期大学講座 「禅といま」開講
「仏教のすすめ」と題し講演する俳優の滝田栄氏=7月22日、東京・港区の会場
曹洞宗大本山永平寺三世徹通義介禅師(一二一九―一三〇九)の七百回御遠忌に当たる今年、第九回夏期大学講座が「禅といま」をテーマに七月二十二、二十三の両日、東京・港区の東京グランドホテルで開かれた。二十二日は山口県宇部市・光善寺住職の松原徹心老師が「食(じき)をととのえる」、俳優の滝田栄氏が「仏教のすすめ」と題し講演、約三百三十人の受講生は熱心に耳を傾け、間の昼食に精進料理を頂いた。講演終了後、希望者は坐禅の体験研修も受け、禅の世界を体感していた。 挨拶に立った佐々木宏幹同大学長(駒澤大学名誉教授)は、最近の秋葉原通り魔事件などを例に挙げ、「人間が人間になるにはそれなりの修行や訓練が必要で、生まれながらのエゴや執着を抑えないといけない。それを行ってきたのが仏教、とりわけ禅である」と講座の要点を示した。 最初の講師、松原老師は、道元の出家から入宋までの概略を語り、船中に三カ月も留め置かれていた寧波の港で、日本のシイタケを求めに来た典座老師と出会う有名な逸話を詳しく解説した。 典座老師は炊事や掃除、洗濯などの日常生活における雑事すべてが修行なのだと道元に教えたのである。当時、日本の寺では典座は雑役のように思われていたが、宋では重要な役とされていた。後に道元が開いた永平寺では、典座は寺の六つの大切な知事(役職)の一つとされ、修行経験が深く篤実温厚な人物が任命されるようになった。 二度にわたる宋での修行を経た道元により、食をめぐる細かい作法が定められ、今日に伝わっている。その基本は食器や食材を丁寧に見ることであり、食事は仏様の命を頂くことであるから粗末にできないというもの、と松原老師は日常生活を通して釈迦の教えを学び、実践することの大切さを語った。 俳優の滝田氏は、・・・
<2面>
- 教皇「世界青年の日」でミサ
若者40万に「愛の使者となれ」 オーストラリア
- エルドアン政権続投へ
憲法裁判所、AKP解党は求めず トルコ
<3面>
- ヒトラーの深層心理に迫る映画
「わが教え子、ヒトラー」のダニー・レヴィ監督に聞く ユダヤ人が演説教師に 児童虐待が生んだ暴力 ドイツでは物議醸す
- 永平寺夏期大学
教理仏教と生活仏教の調和・正木 永平寺の礎つくった禅僧・角田
<4-5面>
- 本紙講演会・陽捷行 北里大学副学長
「農と環境と健康の基(もとい)」 地球は一つの生命圏 18pの土壌が人類を養う 人の健康は土の健康から 経済至上主義の転換を 日本を守る土の神々
<6面>
- 日仏保第76回夏期講習会
「仏教保育と食育」など学ぶ
- 円覚寺第73回夏期講座
講師に古田敦也氏ら
<7面>
- 平成20年度関東地区夏期研修会
神社保育ヨーガに挑戦 神保連
- 靖國神社みたままつり
感謝の3万灯、黄金に輝く
<8面>
- 映画・ラストゲーム 最後の早慶戦
学徒出陣式5日前の実話
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