神道文化会第10回公開講演会 日本人の自然観を世界に
神社本庁大講堂で開かれた神道文化会公開講演会=6月28日、東京・渋谷区
財団法人神道文化会主催の第十回公開講演会が六月二十八日、東京・代々木の神社本庁で「自然と神々そして日本人」をテーマに開かれた。挨拶で同会の松山文彦専務理事(東京大神宮宮司)は、平成十一年から毎年、「自然と神道文化」を主題に、「海」「山」「川」「樹」「火」「土」「水」「風」「鉄」を中心に講演会を実施してきたことを紹介し、十回目の今年、「日本人の信仰や精神性、自然環境の変化と環境科学、技術進歩の両面から、鎮守の森と日本人のかかわりを議論し、社会環境の変化を踏まえ現代的な課題を考えたい」と述べた。
最初に、有機化学、石油化学が専門のソニー学園湘北短期大学教授で千葉県・白旗天神社宮司の鈴木啓輔氏が「環境科学から見た自然と神々」を基調発題。鈴木氏は「約五十億年かけて出来上がってきた地球の自然環境が、人類の登場によって急速に破壊されている」として、地球温暖化などの現状を紹介。各種温室効果ガスの地球温暖化への影響度の比較で、炭酸ガスが60%、メタン18%、フロン類15%であることから、炭酸ガスの排出削減が緊急の課題になっていると説明した。 大気中のCO2濃度は一九七〇年の三二五ppmから二〇〇五年の三八〇ppmへと急速に増えており、その背景には、石油や石炭など化石燃料の使用の拡大がある。この傾向が続けば、地球の平均気温は、一九九〇年を基準として二一〇〇年には最高予測で六・六℃、最低予測で一・一℃上昇し、海面上昇や氷河の溶解、生態の変化などの問題が起こると警告した。七月七日から開かれる北海道洞爺湖サミット(先進国首脳会議)で議長の福田康夫首相は二〇五〇年までにCO2排出量の50%削減を提案する予定だが、・・・
第105回曹洞宗通常宗議会 「曹洞宗新聞」発行を要望
宗議会議員、全国宗務所長ら150人の前で垂示する福山諦法管長。左奥は大道晃仙大本山總持寺貫首
=6月24日、東京・芝の曹洞宗檀信徒会館研修道場
第百五回曹洞宗通常宗議会(渕英徳宗務総長、國安格典議長、定数七十二、出席七十二)が六月二十四日から二十七日までの四日間、東京・芝の檀信徒会館で開催された。規程中一部変更案ほか六議案は原案通り可決、平成十九年度一般会計歳入歳出決算ほか十五の承認を求める件は全て内局提示通り承認された。宗務監査委員会報告のなかで村松延行委員長は「曹洞宗新聞」(仮称)発行について、計画の具体化と広報機能強化を要望した。同報告も承認された。 管長就任式 管長就任式は檀信徒会館五階研修道場で挙行された。大道晃仙大本山總持寺貫首、大本山總持寺後堂、参議、宗議会議員、全国宗務所長、僧堂長、各学校長ら百五十人参列した。拈香法語、祝祷諷経が終わると大道貫首が祝辞した。祝辞をうけ福山諦法管長(大本山永平寺貫首)が「本宗の宗旨である只管打坐、即身是仏を実践していく。人命軽視の時代にあって高く不殺生の誓願を立て仏教徒以外にも教えを伝えたい」と垂示した。 宗議会開会式 仏祖諷経に続き福山管長が教示。そのなかでチベット騒乱に言及、「仏教徒として仏陀の崇高な教義を基に平和的対話をもって解決がなされていることを望む」と訴えた。また自然災害を前に「人類は無力に等しい。被害を最小限にする環境の保全を実施しなければならない」と述べた。宗議会議員二十年勤続した渕宗務総長に福山管長から表彰状が贈られた。 渕宗務総長演説 @祖院災害復興負担金として十五億円支出を決定した。現在、寄付金は二億一千八百七十万円。今年度から・・・
<2面>
- 「エルサレム宣言」発表
カンタベリー大主教への挑戦か 聖公会保守派
- コプト教徒の財産破壊
イスラム教徒20人を逮捕 エジプト
<3面>
- 「八橋忌」と「八橋祭」
八橋検校の遺徳偲ぶ 京都
- 季節の精進料理・夏(上)
精進料理研究家 藤井まり 梅干しの酸味でシャキッと
<4面>
- 坐禅断食体験記
富士山麓で二泊三日
- 内村鑑三と親鸞
評論家 大志雄ゆうき 父なる神と母なる弥陀
<5面>
- G8宗教指導者サミット
主要8カ国の首脳に提言 大阪・京都
- 「南方熊楠と仏教」展
土宜法龍との往復書簡など 龍谷大学
<6面>
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