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  平成20年2月5日号社説
 

お寺のビジネスモデル

 経済誌週刊「ダイヤモンド」新春号の特集は「誰も知らない巨大ビジネス 寺

と墓の秘密」だった。「お寺七万六千、僧侶三十一万人で一・一兆円の市場」や「霊園開発の粗利は四割

」など、一見景気が良さそうだが、内容は寺経営の厳しさをリポートしたもの。採算ラインとされる三百

軒の檀家を切る寺が増え、過疎地には無住の寺が目立つ。住職になれず、都会で読経のアルバイトをして

いる僧侶も多いという。宗派に属するメリットの低下や上納金への不満などから、宗派を離脱する寺も出

ている。経済誌的にいうと、死んだ人の寺から生きている人の寺へ、ビジネスモデルの転換が求められて

いる。
 
新しい寺の在り方
 同誌には、新しい寺の在り方を展開している事例が紹介されている。新

潟市の日蓮宗角田山妙光寺は宗派以外にも開かれた寺を目指し、一九八九年に誰でも入れる永代供養墓「

安穏廟」を建てた。その後二十年で、檀信徒が五倍の千人に増えたという。五十代半ばの小川英爾住職は

「世襲化によって緊張感が薄れ、閉鎖的になる」として、六十歳の定年制度を設け、住職を公募している

。なお、宗派を問わない永代共同墓はほかにも広がっている。
 岐阜県高山市の高野山真言宗派袈裟山

千光寺の大下大圓住職は、二十五年ほど前から坐禅や瞑想、呼吸法などを取り入れたスピリチュアルセミ

ナーを開いている。引きこもりや不登校児を預かるなど、その活動は地域に広がり、その影響は本山も動

かし、高野山大学にスピリチュアルケア学科が開設された。
 福岡市の都心にある浄土真宗本願寺派法

泉寺は、墓地を取り壊して部屋数五十五の軽費老人ホームを建てた。檀家の合意を得て、遺骨は境内納骨

堂に納めたという。これによって人の出入りが増え、新たな地域の拠点になりつつある。
 そのほか、

高野山の宿坊では初めて温泉を掘り、新しい客層の獲得に成功した福智院など、いろいろなモデルが紹介

されている。いずれも、今の時代の人々のニーズに合わせ、発想の転換をしたことが成功に結びついてい

る。
 香川県高松市にある曹洞宗報四恩精舎の野田大燈住職は、引きこもりを対象にした若者自立塾を

開き、ヘルパーの資格を取った彼らが高齢者の介護をするケアハウスの開設を目指している。
 寺の生

まれでない野田師は、大本山永平寺などで修行した後、高松市五色台に喝破道場を建て、不登校児たちと

共同生活を始めた。その後、精神障害児短期治療施設若竹学園を開設するなど、社会福祉活動を中心とし

てきたため、葬式は行わず、檀家もない。ところが、異例の抜擢で平成十三年から五年間、大本山總持寺

(横浜)の後堂を務めたことで、全国一万五千カ寺の将来を考えるようになったという。
 今、野田師

は道場の近くにあった企業の研修所を譲り受け、改築した施設を、若者と老人のペアハウスにしようと準

備を進めている。「これまで若者ばかりが集まっていた道場に、老人も来るようになれば、社会の縮図が

ここにできるようになる。老人が亡くなると、ここで葬式をするので、若者たちは身近に死に接すること

もできる。それは、彼らに大きな影響を与えると思う」と言う。
 
伝統を今に生かす
 興味深いのは

、伝統的な禅の修行が引きこもりの若者の回復から自立に効果的なことだ。例えば、道場は早朝からの規

律正しい生活なので、昼夜逆転の生活を正すことになる。坐禅、読経、掃除、食事作り、農作業、勉強な

どのカリキュラムをこなす中で、彼らは自立性を強め、社会性を身に付けていく。腹式呼吸を覚えると姿

勢が良くなり、生き方も前向きになるという。
 確かに伝統宗教には近代教育よりもはるかに長い教育

の伝統がある。それを現代に生かすのも一つの道だろう。釈迦はいわゆる待機説

クョスコニョ    [1] 
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