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平成20年3月20日号[天地] |
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暖かい春の日差しを浴びるようになると、麦の生長が勢いを増す。冬の間は茶色が目立った田んぼが、次第に新緑に染め上げられていく。窓の外に広がるそんな風景を眺め、花瓶に挿したスイセンの香りを楽しみながら、この美しいふるさとの自然を守りたいものだと思う▼しかし、各地を旅すると、耕作が放棄され、雑草や雑木さえ生えている田んぼを目にすることが増えた。昭和四十年代までは人口増に応じて米の増産が叫ばれたが、その後、一転して米余りになり、減反政策が進められた。食生活の変化や経済のグローバル化など、大きな時代の波に逆らうことは不可能なのだろうか▼自然環境を守るという別の価値観で人々の意見が一つになれば、それは可能だろう。規模を拡大し、産地化を目指す農業だけでなく、地産地消のため小規模多品種栽培をする農業もあっていい。地元の産物を給食に使う自治体も増えている▼農民詩人の宮沢賢治は農業技術の振興とともに農村文化の発展を唱えた。人は文化に包まれ経済で生きているのだから、それは当然と言えば当然である。経済問題を経済だけで解決しようとすれば、経済の罠にはまってしまうのではないか。むしろ、文化の視点から経済を見直すことで、急がば回れの道が見いだせるかもしれない。春の陽気で、そんなことを考えた。
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