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平成20年4月5日号[天地] |
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平等院で修復が終わった阿弥陀如来坐像を拝もうと、花冷えの宇治を訪れた。宇治川沿いの桜は三分咲きだったが、平等院に足を踏み入れると、鳳凰堂を映す阿字池のほとりに枝垂れ桜がほぼ満開だった。鳳凰堂は別料金で時間を決め、見学できるという。最終の四時十分の切符を買い、池の周りを巡る▼中学の修学旅行で来た時には、なるほど十円硬貨のデザインと同じだと感心した。二回目は三年前のこと。その時初めて、鳳凰堂が東向きに、つまり南北に羽を広げるように立っているのに気がついた。それまでは、極楽浄土を表現したのだから、西に向かって立っていると勝手に思っていた。白洲正子は、昇る朝日を受けた鳳凰堂を見るため、何度も足を運んだという。なるほど、それなら東向きでないといけない▼池を二回りし、宝物が保存されている鳳翔館を見て受付に帰ると、もう長い列ができていた。さっきの受付嬢が大きな声で先導し、靴を脱いで鳳凰堂に上がる。金色の阿弥陀様は大きく、ふくよかだった。壁や天井の極彩色は落ちているが、金色だけは輝きを失わない。人々が金を重んじてきたゆえんだ▼特徴的なのは周囲の壁に懸けられている、本来は五十二体の雲中供養菩薩像。様々な楽器を奏でている菩薩や、踊っている菩薩など、それぞれの姿がユーモラスだ。確かに古来、仏教は美や音楽とともにあった。
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