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平成20年11月5日号[天地] |
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源氏物語千年紀の今年、京都の「宇治市源氏物語ミュージアム」でも多彩な行事が行われている。『源氏物語』で評判を取った紫式部は、藤原道長の長女で一条天皇の中宮、彰子の女房兼家庭教師役として仕えるようになる。一〇〇六年から一二年頃まで奉仕したようで、同じく一条天皇の中宮で藤原道隆の長女、定子に仕えた清少納言とはライバル関係にあった▼光源氏の死まで書き終えた式部は、宮仕えを終えた後、女官たちの多くと同じように出家し、宇治に庵を構えたと思われる。平安貴族にとって宇治は舟遊びや紅葉狩りなどの別荘地であるとともに、藤原氏の墓地があったように魂の安らぐ宗教的な地でもあった。式部はここで静かに余生を送るつもりだったが、やはり小説家の血が騒ぎ、いわゆる宇治十帖を書いたものと思われる▼最後の物語として、二人の貴公子、女三宮の子、薫と光源氏の孫、匂宮と、若い浮舟との三角関係が描かれる。『源氏物語』を現代語訳した瀬戸内寂聴さんは、小説家の心理として、式部自身も物語を書くことで救われたのではないかと言う。一人娘を持つ未亡人だった式部は、一時、道長の愛人であったとも推測される。精神と肉体の乖離に悩み、女人成仏を書いた宇治十帖には、近代小説に通じる新鮮さがあるとも言う。
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