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平成20年6月20日号[天地] |
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四月二十日に播種(はしゅ)式を行った天地子の家の近くの斎田で六月七日、十一月二十三日の新嘗(にいなめ)祭で宮中に献納する米の田植え式が、古式ゆかしく行われた▼この日の主役は、かすりの着物に茜(あかね)だすき姿の早乙女にふんした小学四年から六年生の女子児童十人。大勢の地元住民や保護者が見守る中、裸足で斎田に入り、泥に足を取られそうになりながらも、太鼓の音に合わせて丁寧にコシヒカリの苗を植え付けた。天地子は白い装束でそれを補助する役▼驚いたのはアマチュアカメラマンの多いこと。とりわけ年配の人たちが本格的なカメラを構え、プロさながらにシャッターチャンスを狙う姿は、壮観でさえあった。もっとも、こうした光景はいろいろな撮影スポットでお目にかかる。それが充実した老後の過ごし方の一つであり、カメラ産業を支えているのだから、喜ばなければならない▼さて、県知事の出席も予定されていたのだが、神事が始まっても顔が見えない。代理出席なのかと思っていると、神事が終わり、田植えの行事になると顔を見せた。後で宮司が、政教分離を気にして、早くから来ているのに神事が終わるのを待っていたとつぶやいた。その宮司の顔をよく見ると、中学の恩師ではないか。しばし昔話に花を咲かせる▼この日に植えた苗は九月上旬に抜穂式を行い、精米した米一升(1・8リットル)を宮中に納める。ほかに穂のままの束を伊勢神宮に納める、とかの宮司が教えてくれた。
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