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  平成20年11月5日号社説
 

祝天皇陛下御即位20年
天皇皇后両陛下を戴く幸せ

 天皇陛下が本年、御即位二十年を迎えられたことを心よりお祝い申し上げます。
 御即位二十年を記念して出版された『道』(宮内庁編、NHK出版)には、平成十一年から二十年までの両陛下のお言葉がまとめられている。様々な行事のご挨拶にも、必ず陛下ならではのお言葉が盛り込まれており、周到なご準備と思いの深さがうかがえる。
 
 平和への願い
 最初のご記憶が三歳の時、昭和十二年の盧溝橋事件で、「戦争の無い時を知らないで育ちました」と言われる陛下は、何より平和を願われるお気持ちが強い。それが、昭和天皇が果たされなかった沖縄訪問をはじめ、サイパン島などへの慰霊の旅となる。皇后陛下がサイパン島で詠まれた御歌「いまはとて島果ての崖踏みけりしをみなの足裏思へばかなし」には、断崖から海に身を投げた女性たちへの涙があふれている。
 憲法で天皇は日本国の、そして国民統合の「象徴」と規定された戦後、陛下はご自身の在り方を、歴史を踏まえ、国民と対話され、諸外国の王室とも比較されながら、求め続けてこられた。そして今の在り方の方が「伝統的な天皇の在り方に沿うもの」と語られる。
 明治の皇室が率先して洋風を取り入れたように、日本の皇室は最も伝統を守りながら、新しい時代に対応してきた。昭和天皇のすべてを受け継ぎ、守っておられる陛下も、先帝が始められたお田植え稲刈りに、種籾の播種を加えられるなど、新しい伝統を作り続けておられる。それ故、次の世代に対してもご寛容で、「その心持ちを持つことが大切であり、個々の行事をどうするかということについては次世代の考えに譲りたい」と言われる。
 陛下は科学者でもあり、その目で未来をご覧になって、植樹祭や海づくり大会では、早くから環境保護の大切さを示唆しておられる。平成十三年の静岡県での海づくり大会では、少年時代の夏を駿河湾で過ごされた思い出を語られ、「当時の海はきれいに澄んでおり、流し釣りのポンポン船が行き交い、船上で網を引いている人々の声が聞こえてきました。私はこの海で様々な魚と出会い、魚への理解を深めました」と、後のハゼの研究に至る動機を紹介されながら、海を守る大切さを説かれる。また、リンネ生誕三百年を記念するロンドンでの行事でのご講演には、分類学の話やハゼのご研究の話題など研究者の喜びがあふれていた。
 世界に向けてのお言葉も、深いご思慮に裏付けられている。日韓共催のサッカー・ワールドカップを翌年に控えた平成十三年、天皇誕生日に当たっての記者会見で語られた「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると、続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています」は、日本よりも韓国で大きく取り上げられた。
 平成二十年、中国から胡錦濤国家主席夫妻を迎えての宮中晩餐会では、一九九二年の訪中に触れながら、正倉院御物から偲ばれる古代の豊かな交流や、佐渡におけるトキの繁殖について詳しく話され、友好の成果をたたええられた。
 ヨーロッパ各国やタイ、マレーシアなどの王室との交流では、まさに皇室ならではの外交が展開されている。
 
 人々への思い
 国民のことを思うお心は、被災地慰問の際のお言葉からひしひしと伝わってくる。皇后陛下は子育てを通して感じられた「大きな喜びとともに、いいしれぬ不安」から、国の平和と人々の幸せを切望される。家庭生活の実感に基づいた国民への思いを得ることこそ、陛下が皇后陛下に求婚されたゆえんだった。
 今年は両陛下のご結婚五十年の金婚式の年でもある。その折の記者会見で、「結婚してよかったと思った瞬間」を聞かれた皇后陛下は、皇居の庭をご散歩の折、コブシの花が取りたくて、どの枝にしようかと迷っておられた時、陛下が一枝を目の高さにまで降ろしてくださったエピソードを語られた。
 人を思い遣る温いお気持ちが家庭から国、そして世界へと広がっているように思え、読んだあと、父母のような両陛下を戴く幸福感に包まれた。

クョスコニョ    [1] 
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