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平成21年5月20日号[天地] |
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五月十日、フジテレビの「エチカの鏡」などで紹介された、徳島市・大日寺住職の金昴先(キム・ミョウソン)さんを七年前、取材した。大日寺は四国八十八箇所第十三番札所、金さんは韓国の重要無形文化財「僧の舞」「サルプリの舞」履修者という舞踏家。日本公演で泊まった大日寺の大栗弘榮住職に見初められ、平成八年に結婚。以後、金さんは徳島とソウルを往復しながら弟子を指導し、住職の妻の役割を果たすことに。結婚二年後、二人の間に長男の弘昴(こうみょう)君が生まれ、「お大師さんの恵み」と喜んでいた▼ところが十九年に弘榮住職が急逝、支えを失った金さんは韓国に帰ろうかと……。思い留まらせたのは、弘昴君の「ぼくが住職になるまでお寺を守って」の言葉。金さんは弘昴君と共に得度し、難しい勉強をこなし、晴れて本山大覚寺で住職の資格を得た。それから二年、檀家の人たちに支えられ、住職の仕事にも慣れてきた金さんは、舞踊の仕事も再開し、夏には阿波踊りに参加する▼阿波踊りはそれぞれの連(れん)が、工夫を凝らした踊りで観客の拍手を競い合う。浴衣の裾を翻しながら踊る、上品で艶っぽい女踊り、勇壮でどこかコミカルな男踊り。そんな連の群れの中でも、あでやかな韓国民族衣装を身にまとった金さんの舞踊団は、ひときわ異彩を放っていた。今年の夏は、徳島に行こう。
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