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平成21年7月5日号[天地] |
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愛知県一宮市に行ったついでにその日の午前、岐阜を初めて訪れた。目的は織田信長の岐阜城を見るためだが、金華山のふもとに岐阜大仏が鎮座する黄檗宗金鳳山正法寺があったので、まずそちらに足を延ばす。岐阜公園を少し南へ歩くと三層の大仏殿が見えた。やはり中国風の建物だ。ベルを鳴らすと隣の家から婦人が出てきて、鍵を開け、明かりをつけてくれた▼大仏はイチョウの大木を真柱とし、木材で骨格を組み、外部は竹材で編んだ上に粘土を塗り、一切経、阿弥陀経、法華経、観音経などを張り、その上に漆を塗り、金箔を置いたもの。日本一の乾漆仏陀だという。見上げるとかすかにほほ笑み、優しいお顔をしている。ここまで来たかいがあったと思った▼案内文を読むと、二代の僧侶が三十八年にわたって各地を勧進して回り、天保三年(一八三二)に完成したという。開眼供養は信長の居城完成以来の盛大な催しだったそうだ。大仏は座高十三・七メートル、胎内仏として薬師如来像が安置されている▼大仏に込められた人々の祈りを思いながら、しばし休息する。誰も来ないのは寂しいが、その分、静かに仏様に向き合え、ありがたい。岐阜というと、信長が開いた楽市・楽座が有名だが、その一方でこのような大仏様が造られていたことも記憶に留めたい。旅の余禄にあずかった思いだった。
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