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平成21年7月20日号[天地] |
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取材で新潟の弥彦を訪れたついでに、上杉謙信と直江兼続の史跡を巡った。その先々で出会ったのが良寛さん。室町時代と江戸時代、戦国武将と僧侶という違いはあるが、謙信と良寛に共通しているのは本物の信仰と学問だ。それが人づくりの基本なのだろう▼謙信に学んだ兼続は、朝鮮出兵にも右筆を同行させ、貴重な文献を筆写させている。戦に役立つのかとの同僚の声には、頭の肥やしになりますると答えている。幅広い教養があったから頭が柔軟で、苦境にも落ち着いて対応することができた。まさに学問は人間を自由にする▼村の子供たちと手まりで遊び、老境になってから若い貞心尼と心で結ばれた良寛は、自由に生きた。その生き方への憧れが、根強い良寛人気となる。しかし良寛は、自分が家業を継がなかったばかりに父を自殺に追い込んだとの負い目を抱き続けなければならなかった。そんな苦を呑み込んだ楽であることも事実だ▼良寛ファンや取材クルーを三十年泊めてきたという旅館の老婦人。良寛さんの話が聞けるのを楽しみにしていたら、出てくるのは子供や孫の自慢話ばかり。でも、だから幸せなのだろう。上越市で息子の名前と同じ小学校を見つけ、嬉しくなってメールした。人間とはそんなもの……。
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