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平成21年10月5日号[天地] |
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格別に暑かった今年の夏、天地子は稲田のヒエ取りと大豆畑の除草剤散布に汗を流した。『奇跡のリンゴ』の木村秋則さんのように、雑草を生えるに任せる自然農法で成功すればいいのだが、それを含めた有機農業は全体の1%以下にすぎないのが現実。それでも昔の草取りに比べればはるかに楽で、除草剤を一概に悪者にはできない▼心配なのは除草剤の効かないスーパー雑草が出てきていることだ。抗生物質の効かない耐性菌のように、自然界はしたたか。世界的な生態学者、宮脇昭さんが植物の研究を思い立ったのは、両親が夏の盛りに泥田で草取りに苦しんでいる様子を見たからだという。家庭菜園にしても雑草との戦いなのだが、雑草などと言っているから制御できないのだよ、と昭和天皇に叱られそうだ▼稲の場合、水の入れ具合でかなり草を抑えることができる。大豆畑でも大豆がうまく育っている畝は、雑草が少ない。一律な対応ではなく、もっと緻密な研究が必要なのだろう。不思議なことに近年、ホオズキがたくさん出てくる田んぼがある。黒くなった種が大豆に混ざると機械で選別できないので困る▼自然に触れているとその多様性に驚かされる。それに比べて人間世界は同質性を高めた結果、弱くなってしまったのではないだろうか。
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