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  平成22年7月20日号社説
 

家族力回復の夏に

 内閣府が七月二十三日に発表した、初の全国実態調査に基づく推計によると、いわゆる「ひきこもり」が七十万人にのぼり、将来ひきこもりになる可能性を持つ人たちも百五十五万人になるという。内訳は三十代が46%とほぼ半分を占め、ひきこもりになったきっかけは、職場になじめなかった24%、病気24%、就職活動の失敗20%、不登校12%という。
 一方、二十三歳の風俗店従業員の女性が、離婚後、一人で育てていた二人の幼児を育児放棄し、死なせてしまった事件には暗澹たる思いにさせられた。報道によると、子供への愛を語る言葉をブログに残しており、一時は父方の祖母に子育ての援助を頼んでいたようで、その手が届かなかったことが残念でならない。
 日本社会を根底から揺るがせるような事件や現象を見るにつけ、家族力の衰退を感じざるを得ない。多くの人がふるさとに帰ったり、お盆にご先祖さまを迎えたりする夏、家族力の回復に意を尽くしてみたいもの。
 
あるものさがし
 暑い夏はまた多くの人たちにとって、戦争の記憶がよみがえるときでもある。内地、外地で亡くなった人たちにとって、最後の風景には家族がいたと思う。死と生は人生の裏と表で、死にがいは生きがいでもある。戦場で命を落とした人の多くは、愛する家族のためになら死ねると思ったであろう。あるいは、懐かしいふるさとの風景だったかもしれない。
 それは、戦争という非常時でなくても、人間を生きる意欲という根底の部分で突き動かしているものである。家族を持ち、子供を育てることが喜びでなければ、人類はとっくの昔に滅亡していたであろう。私がこの世に生まれ、育ってくるには、そんな多くの先人たちの思いが蓄積されていることに、思いを致し、感謝したい。
 人は誰でも家族の中で生まれ、誰かの真似をしながら育ち、学び、大人になっていく。それが両親であれば最も自然なのだが、そうでない場合も、子育てする側にその心得があれば、子供は健全に育つ。
 人の心を育てる基本は、母親との密接な接触、スキンシップによってつくられることは、多くの児童心理学者や脳科学者が指摘している通りである。もっとも、日本人はそんなことを知らない昔から、子供が大好きで、子供と一緒に遊びながらその心を育ててきた。
 多くの若者がひきこもりになってしまうことの原因探しをしても空しいのだが、やはり母親が育児に手間をかける時間が減ってしまったことが大きいと思う。その背景には、共働きでないと生活できないという経済事情があり、豊かな生活を願う欲望がある。都会暮らしが典型で、高い収入を得ようと思えば都会に出ざるを得ず、都会で暮らすと生活費に収入の多くが消えてしまう。
 多くの過疎地を訪れると、貨幣経済が発達していなかった昔のほうが多くの人たちが住んでいたことに驚かされる。彼らの生活は貧しかっただろうが、幸せでなかったとは言えない。勿論、自給自足のような社会に戻すことは不可能だが、少しはお金に依存しない暮らし方を考えるのも必要だろう。
 地方で暮らせば、高い収入は得られないが、支出を抑えることは可能だ。豊かな自然は金にはならないが、別の価値を与えてくれる。
 まちおこしも、企業誘致のような「ないものねだり」ではなく、地域の資源を再発見していく「あるものさがし」にシフトしつつある。そこから育った産業は小さいが、継続性があり、地域を活性化させる。
 
はたを楽にする
 働くことは、はたを楽にさせることだと古来から日本人は考えてきた。そうした隣人への思いは、家族の中で培われる。それこそ人間力であり、人間関係を築き、受け入れられていく力だ。ひきこもりようがない。加えて専門的な知識や技術があれば、いい仕事ができ、周りから評価されよう。そのスパイラルを重ねながら、人は人生を駆け上がって行く。
 人間関係を築きながら自分の願うことを行っていく生き方は、死ぬまで変わらない。あるいは、死の向こうの世界でも、そんな気遣いは求められそうだ。

クョスコニョ    [1] 
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