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平成22年11月5日号[天地] |
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今年が生誕四百五十年になる石田三成の故郷は滋賀県長浜市石田町。石田神社の隣に三成の供養塔がある。天地子が訪ねると、中年女性がお参りに来ていた。聞くと、三成は地域の人たちから慕われており、供養塔には花が絶えないという。秀吉から佐和山城を与えられた三成が、この地に善政を敷いたことがうかがえた▼石に刻まれていた三成の辞世の歌は「筑摩江や芦間に灯すかがり火と ともに消えゆく我が身なりけり」。筑摩江(ちくまえ)は琵琶湖東岸の古い呼び名である▼長浜は近江商人発祥の地で、彼らのモットーが、売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」。人のこと、社会のことも考える伝統が息づいていた。土豪の家に生まれながら計数に強かった三成に、秀吉は全国規模の検地や戦の兵站を任せている。ライバルの戦国大名を倒すには戦の才能が必要だが、獲得した領地を経営するには、優れた官僚の才能が不可欠だった▼人の心を大事にする三成は、調略を得意とする秀吉により外交にも用いられた。大河ドラマ「天地人」では、三成が直江兼続を通して上杉謙信を秀吉側に引き入れる話があった。浅井三姉妹の末娘・江を主役にした来年の大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」ゆかりの地、長浜を訪れる際には、石田神社にも足を運んで欲しい。
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