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平成22年9月20日号[天地] |
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二カ月ほど前、伯父から、法事の相談をしたいからすぐ来るようにとの電話。駆けつけると、伯父は暦を広げ、何か計算していた。「わしが元気なうちに父母の五十回忌を、少し早いがやっておきたい」との話。呼ぶのは子供と孫で、お包み、お供えは不要だと言う。長兄だった私の父は四十年ほど前に亡くなっていて、伯父は一族の長老。調べると、祖父の死から四十七年、祖母の死からは四十年だった▼二年前、脳梗塞を患った伯父は、運転免許証を返納し、自宅療養しながら透析に通っている。それまでは、夫婦で桜前線を追って全国を自動車旅行していた。その場で寺の院主に電話し、法事の日取りを決めた▼混乱はそれから。該当者に電話すると、手ぶらでは行けないと言う。伯父の家族からは、「最近、独断が過ぎて周りが迷惑している」と危ぶむ声が。伯父も弱気になったのか、「院主がダメだと言えばやらない」と言いだした。勿論、院主はダメとは言わない。「気の済むようにやらせてあげたら」と。おまけに、寺の本堂を使えばいい、と商売っ気を出すので、「私の家の仏壇の前でやりたいのやから」と断った▼当日集まったのは三人の伯父伯母と十二人のいとこで、四十年ぶりの顔も。二時間の三部経と茶菓子の一時間。楽しいひとときに伯父も満足げで、帰り際、「ありがとう」と言われた。
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