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社説
  平成23年4月5日号
   

悲しみ乗り越え救援・復興
宗教系ボランティア被災地へ
人々が集い心支え合う所

 

被災した仙台市宮城野区の専能寺を視察する清掃復旧のメンバー
=晨利信氏提供

宮城県岩沼市の竹駒神社境内でカレー店の食事配給を受ける被災者たち

 

  三月十一日、東日本大地震に襲われた東北各県では、仏教、神道、キリスト教など各宗教団体も施設の損壊や信徒らの死亡、避難など多大な被害を受けた。そうした中、各団体は自らの復興活動に立ち上がり、地域住民に対する支援ボランティアを開始している。

 浄土真宗本願寺派は、東北教区九十一の寺院中、ほとんどの寺で内陣や本堂、山門、墓石が倒壊するなどの被害を受けた。本山(京都市)は十一日当日に緊急災害対策本部を設置。翌日には、東北、東京両教区に現地緊急災害対策本部を設け、第一次復旧支援隊を東北教区教務所(仙台別院、青葉区)に派遣した。
 被災地では、ライフラインが途絶え、電話はほとんど通じなかった。仙台別院の高田英彦所長は、他県の寺院に依頼するなどして調査を始めた。東北教区では二つの寺院が壊滅的な被害を受けた。
 その一つ、宮城県石巻市の称法寺(細川雅美住職)では十四日から支援活動を開始。寺は本堂の屋根と庫裡しか残っておらず、境内にはがれきや車が流されていた。周りの集落は壊滅し、火災も多発していた。
 「十五日、徒歩でがれきの山を踏み越え、庫裡の二階にいた住職と家族の無事を確認できました。ありがたいとしか言いようがありません」と、本山から出向した晨(はやし)利信・総局公室(所務・警防)課長は振り返る。
 もう一つは仙台市宮城野区の専能寺(足利一之住職)。本堂と御堂だけが残り住職らは無事だった。水、生活用品、灯油のほか、法衣を届けた。十三日当時で、門徒約百軒が安否不明だったという。亡くなった方もおり、法衣も用意されたことで葬式ができるようになった。
 称法寺や専能寺では、住職が寺を守り続けている。晨課長は「寺は人が集まり心の支えになる所ですので、地域の復興にはまずそうした施設が復興することが大事ですし、住民も願っています。我々もそういう思いから、支援を続けていきます」と語る。
 十五日、仙台別院に災害ボランティアセンターを設置。北海道教区の青年僧侶協議会の有志六人はじめ鹿児島県、龍谷大学(京都)から参加したメンバーは、主に物資が行き届かない集落などへの支援のほか、女川町や南相馬市の遺体安置所で読経を行った。
 福島県南相馬市の避難所では二十五日、放射線治療のため来ている諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏らとともに、おでんの炊き出しパーティーを開き、被災者たちを元気づけた。
 高田所長によれば、今も新たなボランティアチームや個人の参加も続いている。二十六日、高岡教区から来た僧侶の長男、河合宣彰さん(富山県、38歳)は灯油、水、軍手、紙コップ、マスクなどを多数、別院に運び込んだ。「これから被災地に立ち寄り、支援活動をしてきます」と語って早々に発った。
 宮城県では独自に救援活動を行っている寺もある。伊達家ゆかりの輪王寺(曹洞宗、仙台市青葉区)の日置(ひおき)道隆住職は「県外からの一般の支援部隊の寝泊りを提供しています」と言う。
 宮城県神社庁(青葉区)は災害対策本部を設置し、県内の神社五カ所を拠点神社として、そこから被災した神社や、各地の避難所に支援物資を届けるネットワークを設けた。物資は各県の神道青年協議会や東京の神社本庁などから寄せられている。
 村田守広参事は「復興事業は長期を要しますので、何が必要かを見極める。当面、肌着、衛生関係のおむつとか、手洗いの消毒液、介護用品、文房具、缶詰など不足しているものを支援します」と語る。
 仙南地域の拠点、竹駒神社(岩沼市)によれば「海沿いでは社屋が流された所もあり、神職の方が一人亡くなりました。東京はじめ各県から物資が届けられており、被災した神社や一般の人々に届けたい」。
 各宗教団体で被災者のための義援金の口座を設けている中、伊達家と縁の深い青葉神社(片倉重信宮司)では、職員の知人から「地域の信頼が厚い神社なので」と頼まれ、独自に口座を設けた。片倉宮司は「浄財はお役に立つところに届けたい」と語っている。
 キリスト教でも早くに、ボランティアグループが独自に被災地に入った。より迅速・適切に展開するため十七日、超教派の対策ネットワーク「仙台キリスト教連合 被災支援ネットワーク」を日本基督教団東北教区エマオ(青葉区)に立ち上げた。事務局では「教団、奥羽教区、東北教区の三者が連携し今後の対策プログラムを立ち上げたい」としている。

 

以降は新聞をご覧ください

 

 

宗教界に広がる支援の輪
米軍はじめ海外からも救援が

宮城県岩沼市の竹駒神社境内でカレー
店の食事配給を受ける被災者たち


 

 神社本庁(田中恆清総長)では三月十五日、同庁災害対策本部長を務める小串和夫副総長が斎主となり、「平成二十三年東北地方太平洋沖地震復興祈願祭」を斎行した。
 救援活動では神道青年全国協議会が中心になり、ネット掲示板で情報交換しながら、避難所になった神社へ物資を送っている。十七日には食料や医薬品などが岩手県神社庁(西舘勲庁長)に届けられた。宮城県神社庁は二十五日「災害支援物資搬送ネットワーク」を立ち上げ、被災地への災害支援物資の受付窓口を設置した。
 財団法人全日本仏教会(会長、河野太通臨済宗妙心寺派宗務本所管長)は三月十六日、大震災被災者支援のため、日本赤十字社に一千万円を拠出した。
 岩手・宮城・福島の東北三県に仏教界最多の千二百五十二カ寺を擁する曹洞宗では、青年会を中心にした救援を進め、「シャンティ国際ボランティア会」は宮城県気仙沼市を拠点に活動している。
 震災と津波による死者は確認されているだけで一万人を超えた。宮城県塩釜市では臨済宗妙心寺派の僧侶が中心になり、火葬場で読経奉仕を行っている。
 浄土宗では、埼玉・千葉・東京・神奈川・静岡の三十四カ寺で被災者の受け入れ態勢を整え、被災地の自治体に情報提供している。
 真宗大谷派(東本願寺)では、京都にある本山研修道場や全国の別院など三十六カ所で被災者を受け入れた。
 浄土真宗本願寺派(西本願寺)は仙台別院を拠点に支援を展開し、十二日から復旧支援隊を派遣し、被災地に救援物資を届けた。
 新宗教では、真如苑は義援金一億円の拠出を決め、三月十三日に救援ボランティアチームを現地に派遣し、救援物資を届け、片付けなど手伝った。
 立正佼成会は被災者支援に五億円を拠出、十二日に本部職員ら援助隊を現地に派遣し、炊き出しやがれき撤去などを行った。
 天理教は、都道府県にある「災害救援ひのきしん隊」が中心になり、十六日から給水車十台を被災地へ派遣した。奈良県天理市では宿泊施設に三千人の被災者を受け入れる態勢を整えている。
 創価学会は、四十一カ所の会館に被災者約四千五百人を受け入れ、現地には生活用品や燃料を送った。
 仙台市にある大和(たいわ)教団(保積秀胤教主)本部は被害を免れたが、沿岸部の支部に被害がでた模様。青森県の松緑神道大和山(田澤清喜教主)は十九日に対策本部を設置し、安否の確認と救援に当たっている。
 世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創始者、文鮮明師夫妻は二十日、被災者への義援金として約一億四千万円(百七十万ドル)を日本赤十字社に寄託した。同教会では全国にある施設への被災者の受け入れや、救援物資の配達、被災地での救援活動を進めている。
 全国のキリスト教やイスラム教の各団体でもボランティアや募金の活動が広がっている。
 また「トモダチ作戦」で最大一万八千人を投入し、被害者の救援や被災地の復旧や原発事故の対策に当たってきた米軍をはじめ、世界百三十の国・地域が日本に救援の手を差し伸べている。
 韓国からは百人を超える救援隊員と救助犬二頭が宮城県で活動している。十三日に到着した中国の救援隊は、レスキュー隊員七人に医師一人を含む十五人編成で、被災地での救助活動のほか、電気・通信の供給支援も行っている。

 

<2面>

  • 東日本大震災に救援活動
    世界のキリスト教会など展開

  • サイエントロジーが国際救援団
    被災者に「ケア」を実施

 

<3面>


  • 厳島神社で「清盛まつり」
    鉄人・衣笠さんが主役
    広 島

  • 川崎大師で3日間御影供まつり
    弘法大師に報恩謝徳の心表す

<4面>

  • 万葉の花研究家・片岡寧豊さんに聞く
    万葉集に日本人の心を探る
    人や自然に対する強い思い

<5面>


  • 鶴岡八幡宮献詠披講式
    優秀歌6首を神前に献詠

  • 神道禊教で春季合同祖霊祭
    一食献上運動で復興支援

 

<6面>

  • 無雙直傳英信流居合術第21代高明塾本部・国際居合道連盟本部助教 小島恵子さん
    居合で世界に日本の魅力を
クョスコニョ    [1] 
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