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平成23年8月5日号[天地] |
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壱岐から博多への船旅は快適だった。玄界灘の一部なのだが、壱岐水道はまるで瀬戸内海のように波が穏やかで、大型フェリーは海面を滑るように進んだ。天気晴朗にして波低し。せっかく指定の二等船室を取ったのだが、三十分ほど仮眠しただけで、船頭デッキに立ち続けた▼壱岐に海水浴に来ていた若者のグループが、映画「タイタニック」のシーンをまねて、彼が体を前に突き出し、彼女がその腰を支えた。映画では反対だったが。ロングスカートを海風にそよがせる女性は、中島みゆきの名曲「歌姫」の一節「スカートのすそを潮風に投げて」を思わせた。ずっとデッキの先に、頬杖をついて立ち続け、海の向こうを見続けている女性もいた。海は人々にロマンな気持ちを起こさせるらしい▼東京に帰り東京国立博物館で特別展「孫文と梅屋庄吉展 100年前の中国と日本」を見た。驚いたことに、梅屋庄吉の妻トクは壱岐の生まれだった。英語が堪能だったトクは庄吉の秘書代わりを務め、孫文と宋慶齢との仲も取り持ったという。それも、女同士として彼女の胸のうちを確かめたというのだから、かなり親密だったことが分かる。ちなみに庄吉は長崎生まれの実業家で、映画の日活創業者の一人、孫文に革命資金を提供した。壱岐に生まれ、「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門が、今生きていればとも思う。
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