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平成23年12月5日号[天地] |
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紅葉の奈良を見ようと十一月二十五日、談山神社へ。桜井駅からバスで約二十分。藤原鎌足と中大兄皇子が大化元年(六四五)、同社のある多武峰(とうのみね)で大化の改新の談合をしたことから名付けられた。唐から帰国した鎌足の長男・定恵が開いた神仏習合の寺で、明治から神社に。多武峰観光ホテル五階レストランからの眺めが一幅の絵で、ホットケーキを食べながら錦模様を堪能▼帰りのバス停に行くと、近畿の神仏霊場百五十の満願者・中谷政勝さんにばったり。六月九日、東大寺での神仏合同慰霊祭以来だ。八回目の巡拝になるという。見るとこぎょうさんおまっせ、と勧められたのが壷坂寺。飛鳥の南にある▼桜井から近鉄で長谷寺へ、紅葉の向こうに建つ赤い五重塔を撮影した。ボタンに桜、まさに花の寺だ。次は山の辺の道沿いにある長岳寺。開帳された大地獄絵の前で、北川慈照住職が団体客に講話していた。「話しやすい団体と話しにくい団体がある。皆さんはまだ死にそうにないから話しやすい」と笑わせていた▼二十六日の朝、正暦寺を訪ね、午後、壷坂寺へ。正式には南法華寺。盲目の沢市を支えるお里の夫婦愛で泣かせる人形浄瑠璃「壺坂霊験記」の舞台で、園内には養護盲老人ホームがある。インドの御影石で造られた巨大な観音像があり、白い石肌に紅葉が映えていた。中谷さんに感謝。
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