第34回全国教誨師大会 いのちへの目覚めで再犯防ぐ 対象者の特性に応じた指導を
第34回全国教誨師大会の式典=9月11日、神戸国際会議場
刑務所など矯正施設の被収容者に対して教化改善の指導に当たっている全国の教誨師千八百六十四人の代表が参加する第三十四回全国大会が「きづこう いのちの尊厳―人生を大切に生きる教誨―」をテーマに、九月十一、十二の両日、神戸市の神戸国際会議場で開かれた。第六十回大阪矯正管区教誨師研修大会と平成二十四年度兵庫県教誨師研修会との併催で、十一日は式典の後、基調講演、震災語り劇、記念講演があり、十二日は五つの部会に分かれての研究会と全体協議会で、それぞれの教誨体験を語り合い、研修に努めた。
平野俊興・公益財団法人全国教誨師連盟理事長の開式のことばで式典が始まり、物故者・震災犠牲者を追悼する黙祷の後、同連盟の大谷光真総裁が式辞、「被収容者の社会復帰を進め、再犯防止に努めたい。少年院での矯正でも宗教教誨の重要性が高まっているので、対応できる力を育てたい」と語った。 表彰に移り、法務大臣表彰を受けた札幌管区旭川刑務所の稲垣考道教誨師(浄土宗)ら二十五人をはじめ、日本宗教連盟理事長表彰の十二人、全国教誨師連盟総裁表彰の六人、大阪矯正管区長表彰の六人、大阪矯正管区教誨師連盟会長表彰の六人に、それぞれ表彰状と記念品が手渡された。 被表彰者を代表して大阪管区加古川学園の鈴木眞教誨師(日本基督教団)が「私たちの兄弟姉妹である被収容者のいのちが最大限に尊重され、一層、更生、改善されるよう努めたい」と謝辞を述べた。 祝辞では、滝実法相が「矯正行政において再犯防止は大きな課題となっている。被収容者個々人の特性に応じた矯正が必要で、教誨師の協力を得て、新しい時代の矯正行政を築いていきたい」と述べた(三浦守矯正局長代読)。 西原春夫・財団法人矯正協会会長は、「刑事施設では過剰収容の問題は一段落したが、処遇上困難を伴う被収容者が大きな割合を占め、少年施設では教育的な矯正の必要性が高まっている。宗教教誨師の教誨は被収容者の宗教的情操を涵養し、職員では果たせない分野を支えている」と教誨師の活動に感謝した。 芳村正徳・公益財団法人日本宗教連盟理事長は、「不幸にして罪を犯した人々に、宗教各派の教義に基づいて一人ひとりの不安定な心情に働きかけ、その徳性を涵養し、宗教的な情操を啓発することで、罪の自覚・反省を促し、改善・更生へと導く宗教教誨の意義と役割は大きい。表彰を機に一層励まれるよう期待する」と述べた。 続いて、三浦矯正局長が「矯正の現状について」と題し基調講演、次のように語った。 国民の安全・安心な生活を守るため、・・・
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例大祭で流鏑馬神事勇壮に 源頼朝公の信仰を再現 鶴岡八幡宮
流鏑馬神事で疾走する馬上から弓を射る射手=9月16日、鎌倉市の鶴岡八幡宮
鎌倉市の鶴岡八幡宮で九月十六日、一年の中で最大の祭事「例大祭」の流鏑馬神事が勇壮に執り行われた。馬場の両脇を埋めた参拝者は源頼朝に始まる伝統の神事を目の当たりにし、感嘆の声を上げ盛んに拍手を送っていた。 流鏑馬は鎌倉武士の狩装束に身を包んだ射手(いて)が、馬で駆けながら馬場に配された三つの的を射抜く神事で、鎌倉幕府を開いた源頼朝の時代より八百年の伝統を受け継いでいる。単なる武術の修練ではなく、八幡神に武芸を奉納するという頼朝の信仰に基づく神事で、神事優先の日本の伝統に則って行われた。 疾走する馬上から、馬場の脇に立てられた五十四センチ角の杉板を射抜くという、武芸の極みの技は、弓馬術礼法小笠原教場宗家の小笠原清基氏ほか、鍛錬を重ねた門人たちの奉仕による。 流鏑馬神事の全般を司る総奉行は同宮氏子総代の上野孝氏。流鏑馬に奉仕する射手や諸役の一行は最初に舞殿に参殿し、お祓いを受けた後、総奉行が祭文を奏上し、射手は神前に供えられたお神酒を頂き、神威を得た上で、神職より神事の弓と矢を授けられる。これらの祭事により、射手は日頃の鍛錬の成果により、八幡神の照覧に応えるため、全力を尽くすことを誓う。 その後、騎乗した射手たちが馬場に入ってくると、参拝者から期待を込めた拍手が盛んに送られた。馬場は二百四十五メートルで、三つの的が青竹に挟み、百八十二センチの高さで設けられている。 同宮は康平六年(一〇六三)、朝廷の命により奥州を平定した源頼義が鎌倉に帰り、源氏の氏神として出陣に際し、加護を祈願した京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜辺に祀ったのが始まりで、その後、源氏再興の旗揚げをした源頼朝が、鎌倉に入った治承四年(一一八〇)に神威によって現在の地に遷し、 建久二年(一一九一)に、鎌倉幕府の宗社にふさわしく上下両宮の現在の姿に整えた。以後、同宮は鎌倉の町づくりの中心として鎮座している。 当時、都の人たちに東夷と蔑まれていた関東の人たちにとって、鎌倉は新しい時代の到来を告げるものであった。同宮に祀られる八幡神は源氏の氏神にとどまらず、東国武士団に代表される新時代を生きる人たちの精神的な支えとなったのである。建久三年(一一九二)、頼朝は朝廷より征夷大将軍に任じられ、その時が鎌倉幕府の始まりとされる。 源平合戦の最中から、頼朝は同宮の創建、・・・
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