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  平成24年7月5日号社説
 

保守政治の確立を

 消費税増税法案をめぐり政治が流動化している。政局がらみ、選挙がらみで政党が求心力を失い、与野党ともに分裂気味だからだ。日本の政治を安定させるために、憲法を軸にした政界再編で、保守政治の確立を求めたい。
 「保守主義の父」と言われるイギリスの哲学者で政治家のエドマンド・バークは、「文明社会は人間の知力で設計されたものではなく、幾世代にわたる無意識の人間の行為と神の摂理との共同作業によって開花・成長したものだ」と述べている。古事記の思想で言えば、国は「つくる」ものではなく「成る」ものなのだ。

過去と未来への責任
 国家についてバークは、「現在だけでなく、過去と未来を含めた三世代の国民から構成されるものだ」と語っている。生命の連続性を自覚し、時間の縦軸を重視するのが保守主義なのである。
 そのことを思い出したのは、再刊された『昭和天皇巡幸』(創芸社)を読んだからだ。
 巻頭グラビアで印象的なのは昭和二十二年八月、福島の常磐炭鉱で、上半身裸の鉱員たちを激励される昭和天皇の姿だ。暑い盛り、陛下は地下四五〇メートル、気温が四〇度の坑内に降りた。坑口で迎えたのは労組幹部ら約二百人。最前列の三森鉄一郎氏に、「食糧その他いろいろ不自由なものが多いだろうね」とお尋ねになった。三森氏が嗚咽するように顔を伏せると、重ねて「石炭は大切だから、どうか増産のためにがんばってください」と語られた。
 戦後復興の当時、日本経済はいわゆる傾斜生産で、産業の基幹となる鉄鋼や石炭に予算を集中していた。その後、石炭は斜陽化し、常磐炭田は常磐ハワイアンセンターとして再生する。東日本大震災で危機に襲われたが、見事に復活した。
 陛下が国民の現場訪問を望まれたことから、天皇制度に反対の組合員と多く会うことになった。ところが、労働者の健康や食事を心配される陛下の真情に触れ、考えを一変させた人が多かったという。学者も同じで、共和制論者の滝川幸辰(ゆきとき)京大教授も一夜にして天皇ファンになった。読売新聞が昭和二十三年に行った世論調査では、国民の90%以上が天皇制の存続を望んでいる。
 当時、昭和天皇退位論の急先鋒だったのは最高裁判所長官も務めた横田喜三郎東大教授で、天皇に戦争責任はないと主張したのが南原繁東大総長や我妻栄東大法学部長だった。松下正寿本紙初代代表は東京裁判で横田の思想に触れ、その危険性を感じたと語っていた。横田は元マルクス主義者で、天皇制は民主主義と相容れないので廃止すべきだとし、東京裁判を肯定的に評価していた。
 一方、陛下に同行されるのが常だった皇后陛下が、戦後初めて単独で訪問されたのが、都内にある戦災孤児の養護施設・双葉園だった。ノコギリ・バイオリンを披露する孤児たちの頭を、皇后陛下は優しくなでられた。両陛下はまさに国民の父母として一人ひとりに臨まれたのである。
 陛下の言葉は具体的で、農民には「肥料や農具はあるか」、両手に魚をぶら下げた漁師には、笑顔で「大漁だね」、傷痍軍人には「痛みますか」と心に届く話をされた。長崎で被曝しながら被曝者の救援に当たった永井隆医師には、著書を読んで病床を訪ねられている。
 神話作家の出雲井晶さんは、「昭和天皇は古代からの日本人の生き方を淡々と生きられた方です」と語っていた。その意味でも、既に国民の象徴だった。

震災後の日本を生きる
 戦後復興を支えた日本人には、生き残った者として、死者に恥ずかしくない生き方をしたいとの思いがあった。今の私たちは、東日本大震災に生き残った者である。亡くなった人たちの思いを心に留め、未来の子孫たちのためにしっかりした国を残す必要がある。税制も福祉制度も、その観点から責任を持って考え、実現すべきだ。
 戦後復興期はつらかったが、天皇を中心に国民が一つになった時代だった。その懐かしさを、東日本大震災後の今に生かしたいと思う。

クョスコニョ    [1] 
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