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平成24年7月20日号社説 |
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日韓防衛協力の前進を
核やミサイル開発を進める北朝鮮の軍事的脅威が強まる中、被害を受ける恐れのある日本と韓国が防衛協力を行うため、安全保障に関する機密情報を共有するために必要な「日韓秘密情報保護協定」が署名の段階にまで至りながら、二度にわたって延期された。いずれも韓国側の事情で、反対議員らの恂ァ室処理揩ニの批判に、金星煥韓国外交通商部長官は七月十一日、「協定推進手続きと進行過程で、国会と国民の理解を求める努力が十分でなかったことを申し訳なく思う」と陳謝している。 金長官は、日本との協定を推進した理由について、「日本のイージス艦と人工衛星を通じて、北朝鮮のミサイルなどに関する多くの情報を得られるため」と説明し、秘密交渉を否定し、「今後、問題を慎重に処理していく」と述べた。 信頼の軍事同盟 同協定は、日韓両国間の軍事機密が第三国に漏洩するのを防ぐための情報管理の共通ルールを定める協定で、韓国から防衛秘密情報が提供されると、日本も同じ扱いで管理することになる。日米間にある軍事情報一般保全協定と同じだが、韓国の対日感情を考慮して名称から「軍事」が外された。 一般に二つの国が防衛協力を進める上で、最初に始めるのが軍事担当者の相互訪問や共同演習などの軍事交流で、最終的には軍事同盟が結ばれることで協力は確かなものとなる。日韓の共同演習は既に米軍を介して経験を重ねており、日米同盟と米韓同盟があることから、日韓が軍事同盟を結ぶのは歴史の流れでもある。 もちろん、日韓両国の間には経済や文化など多様な民間交流の蓄積があり、両国間の相互理解はかなり深まっている。しかし、最終的に両国信頼関係の試金石となるのは、軍事同盟を締結できるか否かである。命を分かち合う関係を結ぶ段階に臨んで、そこまでの交流の真実が試されることになるとも言えよう。 近代国民国家成立の要因の一つは国軍の誕生である。明治の近代化が成功した理由として、国民皆兵による国軍の成立を挙げる人は少ないが、列強の軍事的脅威にさらされながら、日本が独立を保持し、近代国家の体裁を整えられたのは、何よりも戦争に負けなかったからである。 さらに軍における教育は、言語や思考、行動様式の統一という面でも、実質的に国民を形成していった。その意味で、近代日本に最初に誕生した近代的な組織が軍隊であったと言えよう。 それは、同時代の清国の軍隊と比較すれば、違いは明らかである。清国には近代兵器はあっても国軍と呼べる軍はなく、李鴻章の私兵にすぎなかった。それが、日清戦争の勝敗を決した、最大の理由である。その文脈で言うと、今の中国の人民解放軍が、果たして国軍なのか、共産党の軍なのか、あるいは軍のための軍なのか、見極める必要がある。 韓国でも、最も合理的な組織である軍が、戦略上、日本との防衛協力を必要としていることは明らかだ。それを、国民を説得しながら実現していくのが政府の役割なのだが、大統領選挙を秋に控えた与党には、それだけの余力がないのだろう。 東日本大震災の瓦礫の広域処理や原子力発電所の再稼動など、合理的に考えれば当然なことにも、常に反対勢力はある。大半は自身の経験から来る感情的な反対だが、中には政治的確信犯としての反対者がいて、多くは声の大きい彼らが反対論をリードしている。 韓国で懸念されるのは、いまだに北朝鮮を支持する勢力が隠然たる力を持っていることだ。加えて、韓国に潜伏する北朝鮮のスパイは、日韓防衛協力を阻止しようと策動しているに違いない。それらを見極める目と、信念を貫く強さがなければ、保守の政治家は務まらない。 選挙の洗礼を受け 結局のところ、日韓共に選挙の洗礼を受け、新しい保守政権が誕生するのを待つしか、両国間の防衛協力が進展することはないようだ。それまで、北朝鮮が冒険主義的な行動に出ないことを祈るのみである。
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