|
|
購読お申し込み・お問い合わせはこちらフォーム入力できます! |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
平成24年3月5日号[天地] |
|
|
|
今時の麦踏みはトラクターにコンクリート製のローラーを付けて行う。狭い田んぼは、バギー車のような二輪車で小型のローラーを引っ張る。遊んでいるように見えるが、寒風の中でかなり大変だ。私は仲間たちと、うどん用の小麦と大麦、裸麦を八町ほど作っている▼麦踏みは、春先に霜柱で浮き上がった土を押さえ、根の張りをよくするためだが、それだけではない。麦の不必要な生長を抑え、根に近い茎の節から新しく茎が出る分けつを促すためで、傷ついた麦は、病原菌の侵入を防ごうとして、葉や茎で植物ホルモンのエチレンを生成する。これが、茎の肥大や生長を抑制し、根の量を増やし、分けつ促進をもたらすという▼冬にまいた麦を収穫するのは梅雨の頃で、病気が発生しやすいため、できるだけ丈夫な麦を育てる必要がある。麦踏みは、そのために先人が始めた、日本独特の農法なのだ▼農業は天候に左右されることが多く、今年は雨に泣かされている。麦は乾燥を好むので、田んぼに湿気が多いとうまく生育しない。溝を開けて水はけを良くし、麦踏みの後は土入れをして、不要な分けつを抑え、一斉に出穂、成熟するようにする▼麦は踏まれて強くなることから、小学校の文集に「麦の子」と名付けたことがある。厳しい時代を、麦のようにたくましく生きていきたい。
|
|
|
|
|
|
|
|
特集 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
社是 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|