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平成24年10月5日号[天地] |
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稲刈りの時期に台風が来ると、刈り取り前の稲が倒れないかどうかが一番心配になる。よく実って頭を垂れた稲は、少しの雨や風でバランスを崩し、倒れてしまうことがある。倒れるとコンバインでの刈り取りが難しくなるし、商品価値も下がる。試験場では倒れない稲を品種改良で作っているのだが、そううまくはいかないのが、自然が相手の仕事だろう▼満州開拓を描いたNHKドラマ「開拓者たち」で、大豆についたヨトウムシを家族総出で徹夜して取るシーンがあったが、今もヨトウムシは大豆畑に発生する。小さな幼虫を見つけると、翌朝にはほとんどの葉が網の目状になるほど、すごい食欲と繁殖力がある▼先日、その防除をラジコン・ヘリで行ったのだが、少し手遅れだったのは、紫斑病の防除を同時にしたからだ。人間の紫斑病はアレルギー性の疾患で血管が障害を受け、皮膚に紫斑が出ることだが、大豆では菌糸が種子に付着することで紫斑ができ、商品にならなくなる▼大豆の出荷で手間がかかるのは、最後に欠陥品を目視で取り除かないといけないからだ。安全で見た目にもきれいな品物を出すのは生産者の使命だが、そのために膨大なコストがかかる。大量に消費される農産品は、労働力の安い生産地に負けてしまう。自然が相手の楽しい作業も、一方で金勘定をしながらでないと続かないのだ。
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