第64回全国敬神婦人大会 島根大会 婦人の力で明るい家庭・地域を 池田厚子神宮祭主が御言葉
第64回全国敬神婦人大会 島根大会=9月3日、島根県松江市の会場
創立六十五周年を迎える全国敬神婦人連合会(北白川慶子会長)の記念大会が九月三日、島根県松江市の島根県民会館で、島根県敬神婦人会(千家礼子会長)の主管により開催された。大会には池田厚子神宮祭主をはじめ北白川道久神社本庁統理、鷹司尚武神宮大宮司、千家尊祐出雲大社宮司、青木義興島根県神社庁長、山谷えり子参院議員などの来賓が出席、それぞれ祝辞を述べた。五団体と四百三十三人の個人が表彰された。来年の大会は鹿児島県で開催される。
第一部は式典で、千家会長の開式の辞で幕を開け、北白川会長は会長式辞で、八月来の豪雨で被害を受けた山口県、島根県の被災者に見舞いの言葉を述べた後、「五月には(平成の大遷宮の)出雲大社で遷座祭が斎行され、十月には神宮で第六十二回式年遷宮の遷御の儀が斎行される節目の年に、全国の敬神婦人が御神威あらたかな出雲の大神様の膝元で、決意も新たに大会を開くのは大変意義深いこと」と大会の意義を語った。続けて、敬神婦人の活動について「豊かな家庭の構築、鎮守の森からの地域社会づくり、福祉活動への協力など、女性の立場から活動を続けてきた。この六十五年の歩みを振り返りつつ、社頭や家庭の婦人の力を結集し、日本のよき国柄の護持のため微力を尽くしたい」と挨拶した。 記念表彰に移り、過去五年間に全国大会を主管した三重県、徳島県、北海道、東京都、京都府の五つの敬神婦人連合会が団体表彰され、功績が顕著であると各県連や単位会から推薦され、役員会で選考された四百三十三人が個人表彰された。 池田厚子神宮祭主より御言葉があり、「これまでの間、幾多の困難を乗り越え、ご婦人の果たすべき役割を認識し、神社へのご奉仕、地域社会の平安に成果を上げて来られた。神宮御遷宮を寿ぎ、ご健康で、身命奉仕の誠を一層努められますよう」と述べられた。 来賓祝辞で北白川神社本庁統理は、神宮遷御の儀が内宮は十月二日、外宮は十月五日に斎行されるに至ったことに感謝の言葉を述べ、敬神婦人連合会について「昭和二十三年の設立以来、奉仕神社の発展に尽力するほかハンセン病など・・・
日本宗教学会第72回学術大会 ネットワークする宗教研究 國學院大學
公開学術講演会で挨拶する井上順孝日本宗教学会会長
日本宗教学会(会長=井上順孝國學院大學教授)の第七十二回学術大会が九月六日から八日までの三日間、東京・渋谷区の國學院大學で開催され、初日に「ネットワークする宗教研究」と題する公開学術講演会が行われた。 同講演会は國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所との共催。井上会長が司会を務め、米国・ハーバード大学のマイケル・ヴィツェル教授、総合研究大学院大学の長谷川真理子教授、京都大学の芦名定道教授の三人が講演した。 開会で井上会長は、比較言語学や神話学、また宗教社会学や人類学などの影響を受けて展開した日本の宗教学研究は、隣接する様々な学問分野と接触交流しながら進展し、最近は認知科学や脳科学などの視点を取り入れる試みが広がっていることを指摘。また進化生物学など、これまで宗教研究とはあまり縁のなかった領域や、「なぜ人間は宗教を必要としたのか」「神や霊といった観念はどうやって生じたのか」といった古典的な問いからも新しい光を当ててみたいと述べた。 「世界神話学」を新たに提唱するヴィツェル教授は「Out of Africa: Tracing Early Mythologies by a New Approach, Historical Comparative Mythology」と題して歴史比較神話学の新しいアプローチを示した。まず、神話について、カール・G・ユングの言うアーキタイプのみで神話が構成されるのではなく、もっと複雑な構成であるとし、今日の現生人類の形成過程に関する研究成果を踏まえながら、出アフリカ神話、ゴンドワナ神話、ローラシア神話等について、系統論としての語派を超えた比較研究を示した。 ローラシア神話はインドから東に向かって東南アジア、中国、日本、シベリア、北米、中米、南米に向かう流れ、インドからユーラシア内陸に向かう流れ、そしてインドから西に向かってレバント、ヨーロッパ、一部北アフリカに向かった流れに共通する神話群で、今から四万年前のインドにおいて、ローラシア神話の基礎となる神話連続が作られ、神話の体系化がなされたと語った。 長谷川教授は「進化生物学から見た宗教的観念の心的基盤」と題して講演。宗教はヒトに普遍的な現象で、人の脳(認知機能)に特有の現象に違いないとの視点から、遺伝的進化の方法を使って推論。宗教の機能として㈰世界の成り立ちや出来事の理由についての「因果的説明」㈪道徳的価値体系を示す権威づけ㈫安心の提供—などの要因を挙げた。宗教的回心については、側頭葉(特に右)の働きの中に不自然な感覚知覚の喚起に関与する部分があり、その刺激を、宗教的な文化で育った人間が「宗教的なものの体験」と解釈するのだとし、進化から見た宗教の心的基盤は㈰自意識(世界を見る中心としての自分)㈪他者理解(共感、道徳)㈫因果推論(原因と結果、作用因)㈬時間軸にそった経験の記憶・・・
<2面>
- シリア内戦の政治解決へ
フランシスコ教皇も積極行動
- スリランカと日本の仏教協力
平和寺に日本文化会館、図書館
<3面>
- 3めん
神道とアメリカ・インディアンの信仰 「生命への畏敬」と「いのちのつながり」 帝塚山学院大学名誉教授 川上与志夫さんに聞く
<4面>
- 第48回教誨師中央研修会
宗派に教誨師の養成機関を 全国教誨師連盟
- 北澤八幡で「世界平和を祈るつどい」
境内に讃美歌の歌声響く 世田谷宗教者懇話会
<5面>
- 浄土宗青年会第1回尋源培根塾
寺の使命を作る4つの視点
- 天台仏教青年連盟全国大会
全26教区に防災士置く 神奈川結集
<6面>
- 人・嘉祥流観相学会導主 藤木相元さん
明るい顔が運を引き寄せる
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