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  平成25年2月5日号社説
 

アジア文化交流の深化を

 安倍晋三首相は一月四日、下村博文文部科学相、甘利明経済再生担当相ら十一閣僚ともに伊勢神宮を参拝した。二十年に一度の第六十二回神宮式年遷宮が今秋に行われる年を、日本の伝統文化を守る保守政権で迎えられたことを喜びたい。
 安倍首相は一月二十八日、衆院本会議での所信表明演説で、我が国が直面する最大の危機は、日本人が自信を失ってしまったことにあるとし、国民に向け「何よりも、自らへの誇りと自信を取り戻そうではありませんか」と訴えた。
 
アジアとの連動
 古来、日本人は新年に予祝行事を行い、その年の豊作を祈ってきた。安倍首相はまた「大きく成長していくアジア太平洋地域において、我が国は、経済のみならず、安全保障や文化・人的交流などさまざまな分野で、先導役として貢献を続けてまいります」とも語った。少子高齢化、人口減少傾向が続く我が国が経済成長を維持するには、アジアの成長力と連動することが大きなポイントとなる。
 インドではデリー・ムンバイ間に高速貨物鉄道が日本の円借款で建設されることが決まり、その沿線には六つの工業団地が整備される計画である。経済の自由化を進めるミャンマーにも、政府援助と民間投資の拡大が期待されている。
 一方、北京など中国の大気汚染は深刻で、肺がんなどを引き起こすとされる直径2・5マイクロメートル以下の超微粒子物質PM2・5の濃度が国際基準の三倍近くまで上昇し、その影響は日本にも及んでいる。日本にはインフラ整備や生産技術に合わせて、省エネ・公害防止の技術協力の必要性も高まっている。それら経済交流を支えるのが、豊かな文化的、人的な交流であろう。
 二月十日から二十四日まで横浜中華街は春節(旧正月)で賑わう。その中心が関羽を祀る関帝廟で、神道に見られるように、三国志の英雄が後に商売の神様になった興味深い事例だ。一九八六年の元旦に不審火で全焼したが、それまで対立していた中国系と台湾系の華僑総会が協力して九〇年に再建した。
 関羽は、古くは塩の産地だった現在の山西省運城市常平郷常平村の生まれで、塩の商売に携わっていたという。関一族の住む同村には関羽の巨大な像が建っている。関羽は義に厚く約束を守るとされたことから、商売の神として祀られるようになり、世界に出て行った華僑が、商売繁盛を願って関帝廟を建てたのである。
 昨年九月に尖閣諸島を国有化して以来、日中関係は冷え込み、日本経済停滞の一因になっているが、少し時代をさかのぼると、日本は中国近代革命の揺籃の地だった。その中心になったのが開港したばかりの横浜で、広東人が多くを占めた中華街では同郷ネットワークが孫文を助け、宮崎滔天ら明治維新をモデルとした中国革命を支援する日本人同志との出会いの場をつくったのである。
 北九州市にある「世界平和パゴダ」は、世界平和の祈念と戦没者の慰霊を目的に、ビルマ政府仏教会と日本の有志によって一九五七年に建立された、日本で唯一のビルマ式寺院である。ウ・ケミンダ大僧正の死去で一時閉鎖されていたが、新たにミャンマーから二人の僧が派遣され、再開された。
 千葉県香取市には日本で唯一のスリランカ寺院蘭華寺がある。約二千三百年前、インド・アショーカ王の王子によって仏教が伝えられたスリランカには、釈迦の教えに近いとされる上座部仏教が今も人々の暮らしに息づいている。
 
日本に残るアジア文化
 仏教東漸と言われるように、インドで生まれた仏教は中国、朝鮮を経て日本にたどり着き、その古い形を留めている。奈良東大寺の正倉院宝物に見られるように、仏教だけでなくアジアの古い文化を保存しているのが、日本の大きな特色である。
 日本がアジアとともに成長していくには、経済のみならず文化の分野においても、心豊かな交流が必要であろう。そこに宗教界の今日的な役割もあるように思える。

クョスコニョ    [1] 
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