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  平成25年11月20日号社説
 

ウイグルに連帯と支援を

 直前に起きた天安門での自動車炎上事件や山西省での爆破事件で成り行きが注目されていた、中国共産党の第十八期中央委員会第三回全体会議(三中全会)が、十一月十二日に閉幕した。発表された声明で目を引いたのは、腐敗防止への取り締まりや経済の市場化、環境汚染への取り組みなどと並んで、社会統制の強化に向けた「国家安全委員会」の新設決定だ。これによって習近平国家主席の権力が大幅に強化され、環境汚染や役人の汚職に対する抗議活動に加え、新疆ウイグル自治区やチベット自治区などでの統制が強化されるものと思われる。
 国内の少数民族(数からすれば決して少数ではないが)だけでなく、漢族の地方・中央政府に対する抗議活動も急増し、その治安に中国政府はこれまで以上の予算を投じようとしているのである。

強まる中国当局の統制
 十一月十一日に都内で開かれた東トルキスタン独立記念行事では、急きょアメリカで開催される対策会議のため欠席したイリハム・マハムティ日本ウイグル協会代表が、「天安門自動車炎上事件がウイグルのテロ組織による犯行だとする中国当局の発表は99%情報操作である」とのメッセージを寄せていた。「ウイグル人にとって母親はアラーの次に大切な存在であり、一緒に自爆テロをすることは民族の常識から考えられない。中東での自爆テロはほとんど若者が行っていることで、家族で行うことはない。ウイグル自治区は当局の完全な監視下にあり、警察にマークされていたウイグル人が警戒の厳重な天安門まで行くことは不可能だ」というのがその理由である。
 海外のメディアも、中国政府が発表した、ウイグル独立派のテロ組織「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」が組織的に関与した「暴力的なテロ攻撃」説には懐疑的で、実行グループの親族が二〇〇九年にウルムチで発生した暴動で行方不明になったことへの報復として起こした、私怨による事件との見方が広まっている。事実、ウイグル自治区では、暴動で射殺されたり、死刑になったりしたウイグル族の家族に対する現地当局の監視が強まっているという。
 山西省の爆破事件は漢族が起こしたもので、石炭の産地である山西省は貧富の格差が最も大きい地域であることから、炭鉱掘削をめぐる土地収用や環境汚染をめぐり、地方政府とのトラブルが原因との見方が有力だ。既に同様の暴動は全国で年間二十万件近く発生していることから、三中全会でもその対策が議論されたのである。
 問題は日本の対応である。国民の多くがPM2・5などの大気汚染には敏感でも、チベットやウイグルでの人権弾圧、宗教迫害にはそれほど関心を向けようとしない。メディアが報道しないせいもあるだろう。しかし、チベットやウイグルの現実が、日本にも及ばない保証はないのである。沖縄の独立を目指す運動が、中国の工作で始まっているだろうことからも、その懸念を強くせざるを得ない。
 また、チベット問題には、同じ仏教国として、特に密教系の教団に連帯の動きがあるが、ウイグルはイスラム教であるためか、信仰の自由という普遍的価値での連帯の動きがほとんど見られないのは残念である。石油、天然ガスなどのエネルギーを通して日本とイスラム諸国とは歴史的に関係が深く、さらに戦前は東トルキスタンの独立を支援するなど、思想的、文化的なつながりが、むしろ戦後よりも強かったのである。そうした歴史を踏まえ、日本の宗教界も、ウイグルへの関心を深め、連帯を模索すべきではないだろうか。

困っている人たちに
 東トルキスタンの独立記念行事では、司会を務めたウイグル人女性の、「十七歳まで中国で反日的な歴史教育を受けた。それが嘘ばかりだったことは、日本に来て初めて分かった。ウイグル人の歴史、日本とのつながり、ウイグル独立のために戦ってくれた日本人がいたことを知って感動した」との話が印象的だった。
 困っている人を見ると助けようとするのが宗教心の基本である。そうした自然の動機から、宗教者は連帯して、ウイグルに支援の手を差し伸べるべきではないか。

クョスコニョ    [1] 
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