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平成25年8月5日号[天地] |
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この時期、水田ではカエルの声がかまびすしい。そのカエルを、日本最大の水生昆虫であるタガメが狙っている。そのタガメを餌にするのがシラサギ。緑色を深めていく田んぼに、集団で飛来してくる。カエルは小さな昆虫やミミズなどを食べている▼若山牧水が「白鳥はかなしからずや」と歌ったのは、長男出産で体調を崩した喜志子夫人のため移り住んだ横須賀市長沢で、海岸に歌碑が建っている。白鳥は恐らくカモメで、「染まずただよふ」のは海なのだが、緑の稲田にシラサギでもいいだろう▼稲が穂を付け、成熟するようになると、田から水が抜かれる。秋から翌春にかけてタガメの居所を調べた研究者は、近くの里山の落ち葉の下で発見している。人間が適度に手を加えた自然、里地・里山で豊かな生態系が成立しているのである▼広島湾のカキいかだを調査した研究者は、海中に吊るされたカキの周りに無数のプランクトンが発生し、小魚の餌場になっていることを発見した。近くの海が、人の手を借りて豊かな里海になっているのである▼地方の道の駅などには、季節の野菜や手作りの食品、花の苗などが持ち込まれる。生産者の多くは高齢者で、地産地消の野菜を多品種少量栽培している。それによって地域でお金が回り、健康長寿にも役立つのは、長野県の事例でも明らか。そんなふるさとづくりが強い日本を支える。
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