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  平成26年6月5日号社説
 

家族の価値の見直しを

 高円宮家の次女・典子さまと、出雲大社の千家尊祐宮司の長男・国麿師との婚約が内定し、今秋、出雲大社で挙式の運びとなったことを、心からお慶び申し上げます。
 五月二十七日の記者会見では、明るく活発な二十五歳の典子さまを、四十歳の国麿師が温かく見守っているような様子で、ご発言通り、元気で明るい家庭を築かれるものと、希望を膨らませた人たちも多いことだろう。
 国麿師は出雲大社の祭務部長として、平成二十年から昨年までにかけて行われた「平成の大遷宮」の実務責任者という大役を務められたばかり。縁結びの神として広く信仰を集める出雲大社の神職として、喜びもひとしおだったに違いない。
 千家家の祖先は皇祖神・天照大神の次男・天穂日命とされ、元宮司は第八十四代。百八十五代続く天皇家と再び結ばれたことになり、記者会見で高麿師は「二千年を超える時を経て、今こうしてきょうという日を迎えたことに深いご縁を感じています」と語っていた。若いお二人の慶事に、日本の新しい国づくりの始まりを感じたものである。

自治体が消滅する?
 有識者らで構成される「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)は五月八日、二十〜三十代の若年女性の流出により、二〇四〇年(平成五十二)までに全国の約50%に当たる八百九十六市区町村が「消滅」の危機に直面するという衝撃的な予測を発表した。
 二〇一〇年に比べ若年女性が半分以下に減る自治体「消滅可能性都市」は、北海道や東北、近畿、九州地方の山間部に多い。既に限界集落が広がっている地域だ。同分科会では自治体の崩壊を避けるには、東京一極集中を是正し、地方に魅力的な拠点都市づくりを進めるべきだと提言している。増田氏は「若者が首都圏に集中するのは日本特有の現象で、それが出生率の低下も招いている。地方都市に雇用を増やし、若者が親の近くに就職し、新しい家族をつくれるような環境整備を急ぐべきだ」と述べている。
 政府の経済財政諮問会議は、子供を産み育てる環境を整えることで、五十年後に人口一億人程度の維持を目指すという数値目標を打ち出した。しかし、人口減少の直接の原因は未婚率の高さと出生率の低さにあるのは明らかで、これらに対する総合的な対策を講じなければならない。
 非婚や晩婚が増えている原因についてはいろいろ分析されているが、最大の問題は家庭を持つことが幸せにつながるという、伝統的な価値が失われてきたことであろう。さらに言えば、国生みの神話に始まる日本人のアイデンティティーそのものが弱まっているのである。
 ところが、米国の子供が書いた『神様への手紙』に触発され、河合隼雄が京都の先生に頼んで、小学校二年の子に神様に手紙を書いてもらったところ、「おばあちゃんが死んで神様になったら、きっとがんこな神様になるやろう。そして私もいずれ死んで神様になって、またあっちでチャンネル争いをやるんでしょうね」という内容だったという。これを読んで河合は感激し、「この子は人生における揺るぎなきものを持っている」とまで言っている。
 第六十七回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で公式上映され、河瀬直美監督自らが「最高傑作」と語る映画「2つ目の窓」も、古い信仰の残る奄美大島に住む二人の少年少女が、家族の葛藤に悩みながら、命のつながりに気付くことで大人へと成長していく姿を描いている。映画では、高校二年の娘を残して死んでいく母が、「私の命はあなたの産む子供へとつながっていくのだから、死ぬことは少しも怖くないのよ」と語りかけていた。

民族のファンタジー
 自然科学が発達し、合理主義的な思考が強まったため、民族のファンタジーは容易に信じられなくなってきたが、かといって消えてもいない。心を少し掘れば、思い起こせるものとして存在しているのである。
 日本を真に強くしていくには、経済再生や防衛力の強化だけでは不十分で、根本的な人づくりを進めるためにも、家族の価値の見直しを図るべきであろう。

クョスコニョ    [1] 
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