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平成26年10月20日号[天地] |
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愛媛県新居浜市の山すそに鎮座する大山積神社の境内に別子銅山記念館がある。山の斜面を利用した半地下構造で、屋根にはサツキが植えられ、自然に溶け込んだ設計になっている。同社は、元禄四年(一六九一)の別子銅山開坑と同時に、鎮護の神として瀬戸内海に浮かぶ大三島の大山祇神社から分社し、銅山の守護神として建立されたもので、今も住友金属鉱山など住友グループから崇拝されているという▼昭和五十二年(一九七七)に別子銅山が閉山された後、平成三年(一九九一)にマイントピア別子が開設され、観光鉱山で賑わっている。坑道の中に入ると、朱塗りの鳥居を構えた山神社が祀られていた。危険が背中合わせの鉱山で、鉱夫たちは神社に手を合わせながら仕事に励んでいたのだろう▼熱帯雨林の再生活動を行っているNPOアジア植林友好協会の宮ア林司理事長は、住友林業の出身。銅の精錬には大量の木材を必要とするため、同社の仕事は元禄時代に始まったが、明治には煙害で枯れてしまった周囲の山の植林が課題になった。宮ア氏に、それが住友林業の始まりだと聞いて、一度訪ねたいと思っていた▼住友グループの礎となったのがかつて世界最大級の産出量を誇った別子銅山で、新居浜市にはその足跡が各所に残されている。
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