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平成26年10月5日号[天地] |
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この季節、新米の香りが炊飯器からただよってくると、つくづく日本人に生まれてよかったと思う。かまどのお釜でご飯を炊いていた頃、炊き上がったご飯をおひつに移した後、お釜にこびりついたおこげをはがし、祖母に作ってもらった塩味だけのおむすびがおいしかった▼ところで、おむすびとおにぎり。ある説によると、神の力を授かるためご飯を山型(三角形)に握ったのが「おむすび」で、「おにぎり」は「にぎりめし」が転じたもので、どんな形でもいいという。むすひ(産巣日)は、天地・万物を生成・発展・完成させる霊的な働きで、意味からすれば、おむすびの方が古いのだろう▼大陸から海を介して米作が伝わったルートの一つとされる対馬には、漁師たちが田んぼで古代の赤米(アカゴメ)を作り、収穫した赤米を神として祀る神事が伝えられている。NHKBSの「新日本風土記」で紹介されていた。収穫した赤米のもみを俵に詰め、座敷の天井につるし、衣代の海藻を挿して海水を振りかけるとそこに神が宿るという。面白かったのは、赤米を炊いて海藻とダイコンを副食に、手で食べていたことだ。古代の物語が、神事として伝えられているのだろう▼白米に少しだけ黒米のもち米を混ぜて炊くと、赤飯のような色になり、粘り気が増しておいしい。天地子の近くの神社では、黒米で作った餅を汁粉に入れ、初詣の人たちに振る舞っている。米の歴史は日本人の歴史そのものでもある。
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