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社説
  平成18年1月5日号
 

溶解する日本を救え
教育と家庭再建は宗教者の使命
本紙代表前田外治

 

 

新年おめでとうございます。
 年頭に当たり、まずもって皆様の日頃の御愛読に対して心から感謝申し上げます。

 希望を抱いて出発した新世紀も六年目を迎えましたが、いまだにその曙光すら見いだせないでおります。日本の総人口は今年をピークに減少に転じ、世の中では十年後に訪れる極度の少子高齢化社会において起こりうる様々な問題を論じています。広がる所得格差、治安の悪化、これまでの経済を支えてきた団塊世代の大量定年、フリーター、ニートの増加と漂流する若者、学力、体力の低下が著しい小学生、ジェンダーフリー理論の浸透等々、深刻な状況は政治、経済、社会から、教育、家庭生活に至るまであらゆる分野に及んでいます。すでにモラルの崩壊は深刻ですが、それは、我が国一国にとどまるものではありません。また、不安定なアジア情勢と自然災害の危険性は一層高まっています。
 諸々の危機的状況に直面して溶解して行く日本と世界に、一体誰が責任を持つのでしょうか。制度改革などの政治的取り組みで果たして危機を脱することができるのでしょうか。その責任を政治に押し付けるだけでいいのでしょうか。
 歴史を顧みると、国家存亡の危機に瀕する時には、愛国者、憂国の士、改革者が現れ、何らかの手立てをほどこしてきました。預言者や宗教指導者らはその典型であるといえます。決して楽観視はできませんが、希望を捨てるわけにはいきません。
 日本の宗教界においては、神道界が基底文化の保持に努めてきました。昨年は、愛知万博において、自然との調和と人類融和の心を世界に発信することに大きく貢献しました。国家の安寧と有用な人材の教育に心傾けています。
 仏教界を見れば、本年は天台宗開宗千二百年の年です。最澄が留学僧として天台の教えの本義を学び、その種を日本文化に移し替え、比叡山に新たな法灯を灯しました。そこには、「一隅を照らす光」の言葉を掲げ、すべてのものが仏となることを願い、信仰に立った公のために生きる国家的指導者の養成に尽力しようという、最澄の開宗の動機が強く働いています。言うまでもなく、その後の日本の仏教界に与えた影響は多大です。
 今日の危機的状況の中にあって、神霊と真理に満ちた人材の育成が急務です。知的能力の高さだけではなく、霊的感性の高い叡智に満ちた人物が求められています。「神を畏れることが知恵のはじめ」とはユダヤの格言ですが、畏敬の念を持った人材の育成をなせるのは、宗教者をおいて他にはありません。
 キリスト教世界に目を向けてみれば、ザビエル生誕五百周年に当たります。彼は、日本に初めてキリスト教を伝えた人物で、「聖なる司祭」と言われて多くの尊敬を集めました。信仰深い両親や姉たちの愛情に包まれて育ち、青年期には、神霊に満ちた師ロヨラの薫陶によって使命観に目覚めました。そのような宗教的教育があってこそ、日本の歴史を動かす人物として登場しました。
 こうした宗教性に立った人材の育成は家庭から始まります。まさに家庭が最初の教育機関であり、宗教教育の現場です。隣人と世界を愛する力は父母の愛によって育まれます。ですから、家庭も出発点から見直さなければならない時に来ています。
 今日、教派、宗派を問わず宗教者の持つべき使命は人づくり、家庭づくりではないでしょうか。宗教者は結婚式を単なる通過儀礼として扱うのではなく、健全な教育機関としての家庭を始める聖なる儀式として執り行う必要があります。宗教者こそが家庭の理想を堅持し、家庭再建の先頭に立ち、自らもその範たらんとして命がけの闘いが、今こそ求められているのではないでしょうか。
 天の道理にかなった健全な家庭が満ち溢れていくことが、平和実現への道であり、その道はたとえ長く困難であったとしても行かなければなりません。
 多くの重責を担って活躍される宗教者の方々に、秘めたる思いとして感じてきたものを年頭に吐露し、読者の皆様の益々のご活躍をお祈り致します。

 

年頭のご挨拶


神社本庁総長
矢田部正巳

 

 年頭にあたり、謹んで皇室の弥栄を寿ぎ申上げ、新年の賀詞を申上げます。
 斯界では、平成二十五年に齋行の第六十二回神宮式年遷宮の準備を本格化致しました。神宮第一の重義である御遷宮が古式に則り厳粛に斎行されますやう、各位の一層の御協力をお願ひ申上げます。
 さて、世界では今なほテロや紛争が絶えず、一方、国内では倫理不在の経済至上主義の横行や、人倫を逸した事件が頻発してをり、環境の保全や青少年教育への関心が高まる中、物質的な豊かさから精神的な豊かさへの思考の転換が求められてをります。
 私達の祖先は、我が国の豊かな自然の中で森羅万象に霊性を見出し、それらに守られ生かされてゐることを悟り、豊かな精神文化を築きました。私共神社関係者は、古より守り伝へられたこの文化を現代に生かし、祭祀の厳修を基に、鎮守の森が人々の心の拠り所となるやう努力して参る所存ですので、皆様には、今一度原点に立ち返り、日々の暮らしの有様を見つめ直して戴ければと存じます。
 尚、本年、神社本庁は設立六十周年を迎へます。これを機に、神社本庁の諸施策を見直し、現代社会の様々な要求に対応しつつ、祭祀の振興と道統の護持に務めて参りたいと存じますので、関係各位には更なる御理解と御協力を賜りますやうお願ひ申上げます。
 最後に、皆様方のこの一年の御健勝、御多幸を祈念申上げ、新年の挨拶と致します。

 

 

新春偶感


真言宗智山派管長
総本山智積院化主
宮坂宥勝

 

 迎春献寿
 平成十八年の年頭に当り、謹んで皆様がたのご多幸をお祈り申し上げます。
 昨年はアジア・太平洋戦争終結後六十年の節目を迎えました。国の内外に亘って今世紀もまた混沌として人類の歴史のあゆみは不透明、不安にみちています。わが国もまた世相の混迷はとどまるところを知りません。
 宗教界は時代に対する深刻な危機感をもって今日的状況に真剣に対応していかなければならないことを痛感いたします。世の中はすっかり甘くなりました。
 近代日本の出発点となった明治維新以来の近現代の宗教界の実状、軍国主義の暴走によるわが国の破滅を客観的に謙虚に検証し、また戦後アメリカ民主主義の功罪を率直に再検討すべきときが来ています。基本的人権の観念、自由と平等の思想などを金科玉条とする語弊から、それらの逆効果も癒しがたいほどの傷痕を引きずっています。権利主義の横行と無責任。自由は放縦に、平等は均等に、そして恥と礼節の喪失などなど。民主主義を履き違えた負の面をもっと強く自覚すべきです。
 これを要するに、倫理道徳の忘失と宗教意識の稀薄化につきます。
 また非核三原則を遵守しているわが国です。宗教的立場からいかなる戦争も罪悪であると断じて核兵器の廃絶、軍縮をきびしく訴えてゆかなければ、第三次世界大戦は防止できません。

 

<2面>〜<5面>

  • 各種挨拶

<6面>

  • 成道会の集い・東京都仏教連合会
    宗派超え釈尊を讃える

  • 世界連邦全国宗教者大会
    宗教超え理想の実現探る
    大 阪

  • 日本イスラエル親善協会講演会
    類似点多いユダヤ人と日本人

<7面>

  • ザ・グレイトブッダ・シンポジウム
    近世の奈良・東大寺を見直す
    東大寺

  • 第6回教化学研究発表会
    宗教対話は歴史の必然
    日蓮宗

  • 日蓮宗
    岩間宗務総長、退任
    小松浄慎内局が誕生 

<8面>

 

  • 本紙講演会 (上)日本製キリスト教――メイド・イン・ジャパンのキリスト教◆
    上智大学教授 マーク・R・マリンズ
    多様な文化的形態とる世界宗教
    信仰を能動的に再解釈する
    神学的理由で排除せず対話
クョスコニョ    [1] 
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