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社説
  平成18年3月5日号
 

東大21世紀COEプログラム
「死とその向こう側」
死と隣り合って生きる文化を

 

死者と生者のかかわりについて日仏の研究者が討議した東大21世紀COE国際研究会議

=2月18日、東京・本郷の東京大学

 

二十一世紀COEプログラム「死生学の構築」の研究を進めている東京大学大学院人文社会系研究科は、国際研究会議「死とその向こう側」を二月十八、十九の二日間、東京・本郷の同大学で開催し、十八日には一般市民も参加し公開シンポジウムを開いた。二人のフランス人研究者が古代中国の道教による死者儀礼と中世ヨーロッパにおける自発死について発表し、二人の日本人研究者が今日的な問題を視野にコメントした。参加者は約百五十人。

 中世までの文化は、「死の向こう側」について明確な実在感をもっていた。フランスの歴史家、フィリップ・アリエスが「飼いならされた死」と呼んだように、死を当然のこととして受け入れ、また死者と隣り合って生きていた。そのような「死の近さ」は、東洋においても近代以前はありふれたもので、民俗文化の中では現代でも生きている。
 同研究会議では、死や死の向こう側を身近に感じる文化について、東西の死者儀礼や殉教、自発死などを取り上げ、また個人の救済を目指す宗教の影響も考察する。さらに現代においてもそうした感覚が根強く残っていることを再認識し、自爆テロや安楽死、自殺、あるいは靖国問題についても論議した。
 公開シンポジウムを挟んで、次のような三つのワークショップが開かれた。A「進んで死を迎える」は、自ら死に向かって生きていくことを選ぶ人々、またそのような生き方を準備する文化の考察。B「非業の死を受け止める」は、戦争や災害、事故、若者の自死・病死などの受け入れがたい死を、受け止め、納得する文化の諸相の考察。C「死者とともに生きる」は、死者と共に行為し、語り合おうとする営みの考察。
 これらの考察を通じて、死をめぐる文化の豊かさが明らかになり、死を遠ざけてきた現代人が死を「飼いならす」ことができるか、その可能性を探った。さらに、均質化した現代世界でなお保たれている死の文化の多様性に改めて目を見張ることになった。
 公開シンポジウムでは、最初にフランス極東学院のフランシスキュス・ヴェレレン院長が「古代道教儀礼における治癒と救済=贖罪」のテーマで、概要次のように講演した。
 中国では紀元前二世紀、漢の衰退期に、老子が源流とされる道教の最初の教会組織「天師道」が四川地方に設立された。それは地中海に原始キリスト教が広まり、中国に仏教が伝来したのと同じ時代である。天師道により、道教は神学から宇宙論、救済論まで備えた普遍性を持つ宗教体系となり、民衆に広く支持され、一部は現代にまで続いている。また、神々と聖職者、一般信徒の間のシステムを定め、儀礼や治癒だけでなく戸籍調査や徴税のような統治機関の業務も行っていた。
 祭司に代々伝えられた、暦法を基にした『赤松子(せきしょうし)章暦』と呼ばれる祈祷書には、次のような救済論が記されている。すべての人は罪人として死に、死後、天地水を治める三人の役人(神)によって尋問を受ける。その苦しさから、死者は生者に怨恨を抱き、さまざまな災いを及ぼすようになる。死者を罪から解放するために、生者は供え物と改悛の祈りをささげ、それを受けて祭司が天上の宮廷で太上老君に拝謁し、とりなしをする。これらは祭司の内心において実現される。
 こうした中国古来の伝統的信仰が仏教と衝突しながらも融合して、中国人の死生観を形成した。
・・・

 

 

 

曹洞宗通常宗議会
究明求め議会に特別委
多々良学園問題解明へ


総長演説する有田惠宗宗務総長。後方は佐藤良彦議長=2月20日、東京・港区の曹洞宗檀信徒会館

 

 曹洞宗(大道晃仙管長、有田惠宗宗務総長)の宗門系「学校法人多々良学園」(理事長、中村見自宗議会議員。山口・防府市)が民事再生法に基づく再生計画案策定のなか第九十七回通常宗議会(佐藤良彦議長、定数七十二人。出席七十人、病欠二人)が二月二十日から二十四日までの五日間、東京・港区の檀信徒会館で開催された。同学園が借入金返済不能に陥った原因などの究明を内局の調査委員会に求める特別委員会が議会に設置される議案が最終日に急きょ上程、可決された。これで原因究明が議会に開示される。
 多々良学園は平成十七年十月二十六日、金融機関から融資を受けた約七十三億円の返済が困難となり、東京地裁に民事再生手続きの開始の申し立てをして受理された。同学園には曹洞宗から総額二十四億円を建築補助費として拠出する決議をしている。
 本議会に上程された議案は全部で十七。全議案とも可決決定された。平成十八年度の一般会計歳入歳出予算案は四十五億五千六百二十七万円で決定。前年比8・07%減の緊縮予算となった。管長には宮崎奕保大本山永平寺貫首に代わり大道晃仙大本山總持寺貫首が一月二十二日就任した。任期は二年。
 開会式で大道管長は「人心安定のため宗教者としての使命を果たして欲しい」と垂示し、有田宗務総長は演説のなかで多々良学園問題について「宗門寺院、関係各位に心配、迷惑を掛けた」と詫び、「問題解明に取り組むため、責任役員会議において宗侶を除いた法律家と公認会計士等専門家による調査委員会を設置した。今次通常宗議会には予算執行残額一億一千万円(十七年度に四億九千万円支出済)を含めた補正予算、調査委員会臨時予算を上程する」と同意を求めた。さらに、人権侵害救済法の早期制定に向けた継続的活動、災害被災寺院への援護を公正かつ安定的に制度運営ができるよう災害援護規程変更案の提案など宗門全般にわたる報告、提案などを説明した。
 ●多々良学園問題についての質疑・答弁([ ]内は宗務総長または内局の答弁)
 永平寺系有道会の仲井哲応議員は総括質問で「多々良学園を失えば宗門の損失は莫大。建築総額八十五億円のうち三十億円を寄付に頼るとは聞いたことがない。再生案に宗門がどのようにかかわっていこうとするのか」。[再生計画案は債権者集会で再生債権者の実務に付されるもの。学園が裁判所の監督下にあることと総長演説が再生債権者を考慮した上でのすべての見解である]・・・

 

<2面>

  • 第9回世界教会協議会大会
    「一致へさらなる前進を」
    ブラジル

  • 世俗化強めるEUの懸念
    非宗教化でむしろ非寛容に

<3面>

  • インド・ブッダガヤに別院建立
    東京・牛込・真清浄寺住職 吉田日光師

  • 連載・神道つれづれ/神職・「にっぽん文明研究所」代表 奈良泰秀
    ― 岩 笛 ―(上)縄文の岩笛

 

<4面>

  • 赤星善弘高野山真言宗法雲山金剛寺住職に聞く
    懺悔・反省なくして友好なし
    強制連行殉難者の碑建立
    熊本県荒尾市

<5面>

 

  • 成田山新勝寺総門地鎮祭
    横綱、25年ぶり奉納手数入り

<6面>

 

  • シンポ「これからの生命倫理」
    宗教こそ転落の歯止めに
    浄土宗総合研究所
クョスコニョ    [1] 
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