知恩院で営まれた建永の法難800年追恩法要
法然と親鸞が築いた念仏教団は鎌倉時代の初めに弾圧され、両者は流罪に処せられた。この事件は建永から承元に改元された西暦一二〇七年に起こり、浄土宗では「建永の法難」、浄土真宗では「承元の法難」と呼ぶ。それから今年でちょうど八百年。これを記念し、浄土宗や浄土真宗では、時の権力者に宗教が迫害されたこの「法難」を改めて考える催しや法要を行っている。
当時は、爆発的に民衆の支持を得た新興の宗教勢力だった念仏教団に対し、既存の仏教諸宗派から批判や弾圧の声が上がるという状況だった。 法難は、後鳥羽上皇が熊野詣でに赴いている留守中、女官の松虫姫と鈴虫姫が法然の弟子の住蓮と安楽に出家を願い出、二人がそれを受け入れたことがきっかけとなった。 激怒した上皇は、住蓮と安楽を死罪に処し、さらに七十五歳の法然を讃岐(香川県)に流し、法然の弟子の親鸞も越後(新潟県)へ流罪とした。法然はその年の十二月、親鸞は五年後に赦免となる。 八百年の節目を迎えたのを記念し、浄土宗総本山の知恩院(京都市東山区)では先月二十二日、「建永の法難八百年追恩法要」が営まれ、僧侶や檀信徒ら約五百人が改めて激動の時代を生きた開祖の遺徳を偲んだ。 御影堂での法要では、「南無阿弥陀仏」と描いた特大の掛け軸を吊るし、法然の「ご分身」(木像)を安置。約百人の僧侶がその木像を取り囲むように着座したあと、浄土宗の御詠歌を唱える団体「吉水講」の檀信徒三百人が歌声を堂内に響かせた。 続いて、念仏を一心に唱え、木魚を打ち鳴らした。この後、ご分身が法然流罪のルートをたどる「巡錫(じゅんしゃく)の旅」も催され、僧侶や檀信徒らが京都に残る法難の足跡を訪ねた。 また、今月九日には「念仏法難八百年を考えるつどい」が知恩院・和順会館で開かれ、参加者は教団がたどった苦難の時代に思いを馳せるとともに、「殺伐とした現代社会に念仏の教えはどうあるべきか」などをテーマに考え合った。 浄土宗、浄土宗西山派、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派の有志僧侶が呼び掛けて開催。最初に、呼び掛け人の一人で真宗大谷派宗議会議員の藤内和光氏が開会の挨拶に立ち、「宗派によって法難の呼び名も受け止め方も異なるが、合同で集会を持つ意義は大きい。八百年前の法難を考えることを通して、今日を生きる念仏者としての課題と使命を確かめたい。この法難についてより立体的に視野を広げて考えてもらえれば」と訴えた。・・・
千鳥ヶ淵戦没者墓苑拝礼式 常陸宮同妃両殿下が拝礼
拝礼式に臨まれる常陸宮同妃両殿下=5月28日、東京・千代田区の国立千鳥ケ淵戦没者墓苑
厚生労働省主催の千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式が五月二十八日、常陸宮同妃両殿下臨席のもと、政府関係者、駐日外交官らと、遺族代表二百五十三人が参列して厳粛に執り行われた。 六角堂陶棺両脇には天皇皇后両陛下から贈られた生花が供えられている。国歌斉唱、厚生労働大臣式辞と続き、納骨式を終えると両殿下の拝礼式。両殿下はグレーの絨毯をしっかりした足取りで歩まれ陶棺の前に進まれた。立ち止まり一歩前へ進まれ深々と拝礼された。両殿下が退席されると次に安倍晋三内閣総理大臣が献花をした。 柳澤伯夫厚生労働大臣は「政府が戦没者遺族とともに全力を挙げて遺骨収集をしてきた」とした上で「従前の取り組みに加え昨年より、特に南方地方における遺骨について、集中的な情報収集を実施している。本年は旧ソ連、硫黄島、ビスマーク・ソロモン諸島、東部ニューギニア、フイリピン等において収集した九百七十三柱を新たに納められ、これにより千鳥ケ淵戦没者墓苑に納められている遺骨は三十五万二千二百九十七柱を数える」と述べ「先の大戦から学びとった多くの教訓を次の世代に継承し、恒久の平和を確立すべく力を尽くすことを誓う」と式辞した(代読、武見敬三厚生労働副大臣)。 麻生太郎外務大臣(代理、浅野勝人副大臣)に続き、インドネシア共和国、マーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦、フィリピン共和国、ロシア連邦各国特命全権大使、若林正俊環境大臣、久間章生防衛大臣(代理、木村隆秀副大臣)、古賀誠日本遺族会会長、宮下創平千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会会長、遺族代表の順で、東京消防庁音楽隊が「慰安する」「オーゼの死」「赤とんぼ」「ふるさと」を奏楽するなか献花。厳粛な雰囲気のうちに滞りなく式典を終えた。・・・
<2面>
- 最高裁が改宗の自由認めず
イスラム教棄教は不可 マレーシア
- 英国国教会
ソニーPS3用ゲームソフト 販売停止を要求
<3面>
- 「時を超える親鸞聖人像」展
浄土真宗の広まり探る 龍谷大学
- 親鸞聖人降誕会
確かなものを拠りどころに 慈光院
<4面>
- 国際宗教同志会60周年記念総会
9月ダライ・ラマ法王訪問
- 高野山東京別院で弘法大師誕生会
お砂踏みで88霊場を成満
<5面>
- 東京佛光山寺新道場落成
小さくも金剛石の価値
- 日蓮宗北陸総本山妙成寺で浄瑠璃
近松「賢女手習并新暦」を奉納 石川県羽咋市
<6面>
- 人・青葉神社宮司 片倉重信師
恊_様揩フ心になって考える
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